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(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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ラッセル『結婚論』第四章「男根崇拝,禁欲主義および罪」n.9

2018/03/22

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  「(日刊)ラッセルの言葉366_本日の言葉」
  n.1044 (2018年3月22日 )[2014/12/25創刊]   
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 ラッセル『結婚論』第四章「男根崇拝,禁欲主義および罪」n.9
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 第四章 男根崇拝,禁欲主義および罪 n.9:私通の罪を防ぐための結婚?

 ウェスターマークは言う。「家族は結婚に根ざしているというよりも,結婚
は家族に根ざしている。」
 この見解は,キリスト教以前の時代には,自明の理(truism)であったであろ
うが,キリスト教出現以降は,強調する必要のある重要な命題となった。キリ
スト教,とりわけ聖パウロは,まったく新しい結婚観を導入した。即ち,結婚
は,主として子供を生むためにあるのではなく,私通の罪を防ぐためにある,
というものである。
 聖パウロの結婚観は,いたれりつくせりと言ってよいほど(leaves nothing
 to be desired)明確に,「コリントの信徒への書簡その一」に述べられてい
る。コリントのキリスト教徒は,継母と不義をする奇習があったように思われ
る (同書第五章第一節)。そこで,聖パウロは,この状況は,断固として対
処する必要があると感じた。聖パウロが述べている見解は,次のとおりである
。(同書第7章第1-9節)

「さて,あなたが書いてよこしたことについて言えば,男は女に触れないほう
がよい。
しかし,みだらな行ない(私通/姦淫)を避けるために,男は各自妻を持ち,
また,女は各自夫を持たせなさい。
 夫は妻にその務め(当然の善き行い)を果たさせ,同様に妻も夫にその務め
を果たさせよ。
 妻は自分の体を自分の意のままにする権利を持たず,夫がそれを持っていま
す。同様に,夫も自分の体を自分の意のままにする権利を持たず,妻がそれを
持っているのです。
 互いに相手を拒んではいけません(むりやりだましとってはいけません)。た
だ,納得しあった上で,もっぱら断食や祈りに時を過ごすためにしばらく離れ
るのなら話は別です。 また,あなたがたが自制する力がないのに乗じて悪魔
が誘惑しないように,またいっしょになりなさい。
 しかし,私は,そうしてもよいと言っているのであって,そうしなさいと命
じているのではありません。
 というのは,私はみなが私と同じであること(独身であること)を望みます
。しかし,人はそれぞれ神から 賜物をもらっているのですから,ある人はこ
のやり方を,別の人はこのやり方を,というように,人によって生き方が異な
ります。
 未婚者とやもめに言いますが,みな私のように独りでいるほうがよいでしょ
う。
しかし,自制ができないのであれば結婚しなさい。情欲で身を焦がすよりは,
結婚したほうがましだからです。 」

Chapter IV Phallic Worship, Asceticism and Sin, n.9

"Marriage", Says Westermarck, "is rooted in family rather than family 
in marriage." This view would have been a truism in pre-Christian 
times, but since the advent of Christianity it has become an important
proposition needing to be stated with emphasis. Christianity, and more
 particularly St. Paul, introduced an entirely novel view of marriage,
 that it existed not primarily for the procreation of children, but to
 prevent the sin of fornication.
The views of St. Paul on marriage are set forth, with a clarity that 
leaves nothing to be desired, in the First Epistle to the Corinthians.
 The Corinthian Christians, one gathers, had adopted the curious 
practice of having illicit relations with their step-mothers (I Cor. 
V. I), and he felt the situation needed to be dealt with emphatically.
The views which he set forth are as follows (note: I Cor. vii, 1-9) :

Now concerning the things whereof ye wrote unto me: It is good for a 
man not to touch a woman.
Nevertheless, to avoid fornication, let every man have his own wife, 
and let every woman have her own husband.
Let the husband render unto the wife due benevolence: and likewise 
also the wife unto the husband.
The wife hath not power of her own body, but the husband : and 
likewise also the husband hath not power of his own body, but the 
wife.
Defraud ye not one the other, except it be with consent for a time, 
that ye may give yourselves to fasting and prayer; and come together 
again, that Satan tempt you not for your incontinency.
But I speak this by permission, and not of commandment.
For I would that all men were even as I myself. But every man hath his
 proper gift of God, one after this manner, and another after that.
I say therefore to the unmarried and widows, It is good for them if 
they abide even as I.
But if they cannot contain, let them marry; for it is better to marry
 than to burn.
 出典: Marriage and Morals, 1929.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/MM05-010.HTM

 <寸言>
 結婚は同棲とは異なり、法的な制度(社会制度)。しかし、統治(政治的統
治や精神的統治)する立場の者は、結婚制度に自分たちに都合のよい理屈や意
義を付与して、統治の一助とする。

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