名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
読者と一緒に育てていきたいと思っています.


全て表示する >

ラッセル『結婚論(結婚と性道徳』序論 n.4

2018/02/22

 次に来る(突き当たる)のは、家族(に対する性倫理の影響)の問題である。
様々な時代と場所において、多くの異なった種類の家族集団が存在してきたが
、家父長制家族が非常に広範囲に優位であり、さらに、しだいに一夫一婦的な
家父長制家族が一夫多妻的な家父長制家族に対してますます優勢になってきて
いる。キリスト教以前の時代以降,西欧文明の中に存在してきた性倫理の主要
な動機は、家父長制家族の存立を不可能にしない程度に、女性の道徳的美点
(貞淑さ)を確保することであった。なぜなら,(婚外における性交を禁止し
ておかないと)父性(誰がその子供の父親か)に確信が持てないからである。
(注:当時は,男性の精子によって女性の卵子が受精するということは知られ
ていいなかった。)キリスト教によって、この女性の道徳的美点(女性の貞淑)
に、男性の道徳的美点(男性の貞淑)の強調という面(点)で付け加えられて
きたものには、心理的に言って,禁欲主義がその源泉があった。もっとも、ご
く最近では、この動機は女性の解放とともに強くなった女性の嫉妬(心)によっ
て強化されてきている。けれども、後者の動機は、一時的なもののように思わ
れる。なぜなら、もしも、うわべだけで判断してよいものなら、女性(たち)
は、これまで女性だけがこうむってきた(我慢してきた)制限を男性にも課す
る制度よりも、むしろ、両性に自由を認めるような制度をより好む(選ぶ)だ
ろうと思われるからである。

We come next to the question of the family. There have existed in 
various times and places many different kinds of family groups, but 
the patriarchal family has a very large preponderance, and, moreover,
 the monogamic patriarchal family has prevailed more and more over 
the polygamic. The primary motives of sexual ethics as they have 
existed in Western civilisation since pre-Christian times has been to
 secure that degree of female virtue without which the patriarchal 
family becomes impossible, since paternity is uncertain. What has 
been added to this in the way of insistence on male virtue by 
Christianity had its psychological source in asceticism, although in
 quite recent times this motive has been reinforced by female 
jealousy, which became potent with the emancipation of women. 
This latter motive seems, however, to be temporary, since, if we may
 judge by appearances, women will tend to prefer a system allowing
 freedom to both sexes rather than one imposing upon men the 
restrictions which hitherto have been suffered only by women.
 出典: Marriage and Morals, 1929, Introduction.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/MM-INTRO040.HTM

 <寸言>
 お互いを縛るよりも,お互いの自由をより拡大していこうという時代の趨
勢。ただし、そのためには、過剰な嫉妬心を抑えるということが男女ともに
必要となる。

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
Score!: 97 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。