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(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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ラッセル『結婚論(結婚と性道徳』序論 n.2

2018/02/21

 序 論 n.2

 性倫理の影響は,この上もなく多様である。(即ち),個人,夫婦(間),家
族(間),国家,及び,国際社会,といった多様な面での影響である。その影
響は,これらの点(細目)の(それぞれにおいて),ある面では良いが他の面
では良くないという場合も,多分よく起こるだろう。(注:"may well happen"
 If you say that something may well happen, you mean that it is likely
 to happen.) 特定の制度について,結局(注:on balance; on the balance
 いろいろ考慮して)どう考えるべきかの結論を出す前に,全ての影響(影響す
るもの全て)について考察しておかなければならない。
 まず,純粋に個人的側面から考えてみよう。これらは,精神分析によって考
察される影響である。ここでは,ある規則(道徳律)によって教えこまれた成
人の行動だけでなく,その規則(道徳律)に服従させることを目的とした幼年
期の教育をも考慮しなければならない。この個人の領域では,周知のように,
幼年期のタブーの影響が非常に奇妙かつ間接的な場合がある。本主題のこの部
門(領域)においては,我々は個人の福祉というレベルにある(個人のレベル
で論じることになる)。
 個人以外の問題の次の段階は,男女関係を考察するときに起こる。ある性的
な関係は,他の性的な関係よりも価値があることは明らかである。大部分の人
は,性関係は,もっぱら肉体的な関係(注:精神的な要素がほとんどない関係)
よりも,精神的な要素を大幅に含んでいる性関係のほうがよりよい,というこ
とに同意するであろう。事実,性関係の中に当事者たちの人格(個性)がより
多く入り込めば込むほど,(それに比例して)愛(情)の価値も増していくと
いうのが,詩人たちによって,文明国の男女の共通の意識の中に注ぎこまれて
きた見解(物の見方)である。詩人たちは,また,愛(情)をその強さに比例
して評価することを,多くの人びとに教えてきた。けれども,これは,議論
(論争)の余地のある問題である。たいていの現代人は,愛は平等な関係であ
るぺきであり,それゆえにこの根拠ひとつに基づいても,たとえば一夫多妻制
は理想的な制度とみなすことはできないということに同意するだろう(注:つ
まり,多くの異性に強い情愛をもっていることは必ずしもよいことだとは考え
ない/たとえば,4人までの妻を認めるイスラム社会の制度を欧米人はよいと
は考えない)。夫婦関係の領域(注:本主題のこの領域)においては,終始,結
婚(婚姻関係)と婚外関係の双方を考慮しなければならない。どのような結婚
制度が主流であるにせよ,婿外関係も,それに応じてさまざまな形をとるであ
ろうからである。

The effects of a sexual ethic are of the most diverse kinds - personal
, conjugal, familial, national and international. It may well happen 
that the effects are good in some of these respects, where they are 
bad in others. All must be considered before we can decide what on the
 balance we are to think of a given system. To begin with the purely 
personal: these are the effects considered by psychoanalysis. We have 
here to take account not only of the adult behaviour inculcated by a 
code, but also of the early education designed to produce obedience to
 the code, and in this region, as everyone knows, the effects of early
 taboos may be very curious and indirect. In this department of the 
subject we are at the level of personal well-being. The next stage of 
other problem arises when we consider the relations of men and women. 
It is clear that some sex relations have more value than others. Most 
people would agree that a sex relation is better when it has a large 
psychical element than when it is purely physical. Indeed, the view 
which has passed from the poets into the common consciousness of 
civilised men and women is that love increases in value in proportion
 as more of the personalities of the people concerned enters into the
 relation. The poets also have taught many people to value love in 
proportion to its intensity; this, however, is a more debatable 
matter. Most moderns would agree that love should be an equal 
relation, and that on this ground, if on no other, polygamy, for 
example, cannot be regarded as an ideal system. Throughout this 
department of the subject it is necessary to consider both marriage
 and extra-martial relations, since whatever system of marriage 
prevails, extra-marital relations will vary correspondingly.
 出典: Marriage and Morals, 1929, Introduction.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/MM-INTRO030.HTM

 <寸言>
 幅広い視点で考えることが重要であること。

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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