名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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 「中立的一元論」は精神と物質との関係についての神秘を取除く

2018/02/19

 第五に,一片の物質(と)は,因果法則,即ち,物理学の因果法則によって結び
つけられた事象群である。精神(と)は,因果法則,即ち,心理学の因果法則によ
って結びつけられた事件群である。(一つの)事象は,その(事象の)内在的性質
によって,心的(なもの)あるいは物質的(なもの)のどちらかに帰せられる
(翻訳される)ものではなく,因果関係によってのみ,心的(なもの)あるいは
物質的(なもの)となる(とされる)のである。(一つの)事象が,物理学に特
徴的な因果関係と,心理学に特徴的な因果関係との両方(の関係)を有するこ
とは,まったく可能である。その場合は,その事象は,心的であるとともに物
質的である(ということになる)。
 人間について,パン屋でもあり父親であることに何の困難もないのとまった
く同じく,このことについて,まったく困難は存在しない。我々(人間)は,直
接経験する心的事象(の内在的性質)を除いて,物理(的)事象の内在的性質につ
いては何も知らないので,我々の頭(脳)の外の物理的世界が心的世界と違って
いるかあるいは違っていないか,どちらであるか言うことはできない。精神と
物質との関係についての想定(仮定)された問題は,(精神と物質の)両方を
,事象群としてではなく,(実体的な)「もの(事物)」として,取扱うという聞
達ったことから生じる(のである)。私の提示(提出)した理論(注:中立的一
元論)によって,(精神と物質との関係の)全ての問題は消失する。
 私が擁護してきているこの理論のために言うべき最も重要なことは,この理
論が(精神と物質との関係についての)神秘(性)を取除くということである。
神秘(性)は常に人を悩ますものであり,それは通常,明噺な分析が欠如してい
るせいである。精神と物質との関係は,人々を長い間悩ませてきたが,もし私
が正しければ,精神と物質(との関係)は,人間を悩ませる必要はもはやない
のである。(終)

Fifth: a piece of matter is a group of events connected by causal 
laws, namely, the causal laws of physics. A mind is a group of events
 connected by causal laws, namely, the causal laws of psychology. 
An event is not rendered either mental or material by any intrinsic 
quality, but only by its causal relations. It is perfectly possible 
for an event to have both the causal relations characteristic of
 physics and those characteristic of psychology. In that case, the 
event is both mental and material at once. There is no more difficulty
 about this than there is about a man being at once a baker and a 
father. Since we know nothing about the intrinsic quality of physical 
events except when these are mental events that we directly 
experience, we cannot say either that the physical world outside our
 heads is different from the mental world or that it is not. 
The supposed problem of the relations of mind and matter arises only
 through mistakenly treating both as "things" and not as groups of 
events. With the theory that I have been suggesting, the whole problem
 vanishes. 
In favor of the theory that I have been advocating, the most important
 thing to be said is that it removes a mystery. Mystery is always 
annoying, and is usually due to lack of clear analysis. The relations
 of mind and matter have puzzled people for a long time, but if I am
 right they need puzzle people no longer.
 出典:Bertrand Russell : Mind and Matter (1950?)
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/19501110_Mind-Matter200.HTM 

 <寸言>
 それでも、肉体(もの)は滅びても、精神(こころ)は生き続ける(消滅し
ない)と考える人がいる。考えたい人は個人的に考えるのはよいが、社会的
、あるいは国家として幻想を振りまいてはならない(靖国に眠っている,国家
に御霊を捧げた英霊に報いるためにとか・・・。)

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
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