名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
読者と一緒に育てていきたいと思っています.


全て表示する >

 精神と一片の物質とはともに事象の集まり

2018/02/10

 もし私が(今)言っていることが正しければ,精神と脳(物質)との相違は,
それらを構成する素材にあるのではなく,素材のまとめ方にある。精神と一片
の物質とはともに事象群(事象の集まり),あるいはむしろ事象群の系列
(注:順序を有した事象の集まり)と考えられるべきである。一定の精神を構
成するようにまとめられた諸事象は,私の理論(説)によれば,それらに対応
する(物質としての)脳となるようにまとめられた諸事象とまったく同じであ
る。あるいは,それらは脳を構成する諸事象の一部である,というのがもっと正
しい(適切な)言い方だろう。重要な点は,精神(心)と脳(注:物)との相違
は,質の相違でなくて配列の相違だということである。それは,郵便局のディレ
クトリー(住所氏名録)においてなされている(ところの),住民の地理的順
序による配列とアルファベット順による配列との相違に似ている。同じ人(住
民)が2つの場合(方式)で配列されるが,それらは全く違った脈絡(文脈)
においてである。同様に,視覚の,物理学に対する脈絡(文脈)は,物理的であ
り,それ(その文脈)は脳の外にある。後戻りすれば,それはあなたを(物理的
な)眼のところへつれてゆき,次に光子のところへつれてゆき,次にいくらか
遠いところにある対象における量子遷移へと連れてゆく。視覚の,心理学に対
する脈絡(文脈)は全く異なっている。たとえば,視覚があなたが破産した
ことを告げる電報の視覚(電報をあなたが見ること)であるとしてみよう。
多くの事象があなたの心の中で心理学的因果法則に従って起るだろう。そう
して,あなたが頭の毛をかきむしったり,大声をだして泣き叫ぶような純粋
に物理的結果がおこる前に,長い時間が経過するであろう。

If what I am saying is correct, the difference between mind and brain
 does not consist in the raw material of which they are composed, but
 in the manner of grouping. A mind and a piece of matter alike are to
 be considered as groups of events, or rather series of groups of 
events. The events that are grouped to make a given mind are, 
according to my theory, the very same events that are grouped to make
 its brain. Or perhaps it would be more correct to say that they are
 some of the events that make the brain. The important point is, that
 the difference between mind and brain is not a difference of quality,
 but a difference of arrangement. It is like the difference between 
arranging people in geographical order or in alphabetical order, both
 of which are done in the post office directory. The same people are
 arranged in both cases, but in quite different contexts. In like 
manner the context of a visual sensation for physics is physical, 
and outside the brain. Going backward, it takes you to the eye, and
 thence to a photon and thence to a quantum transition in some 
distant object. The context of the visual sensation for psychology
 is quite different. Suppose, for example, the visual sensation is 
that of a telegram saying that you are ruined. A number of events 
will take place in your mind in accordance with the laws of 
psychological causation, and it may be quite a long time before 
there is any purely physical effect, such as tearing your hair, 
or exclaiming "Woe is me!" 
 出典:Bertrand Russell : Mind and Matter (1950?)
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/19501110_Mind-Matter150.HTM 

 <寸言>
 外界から刺激を受けてその情報を脳で処理する時の微細な電流(パルス)の
流れや【脳細胞間での)メッセージ物質の発射・受取の様子を電子顕微鏡や
MRIなどで見ると、ラッセルの言うことが実感できるのではないか?
 NHKの人体シリーズの「脳」を見た方は同意見だろうと思われるが、問題は
それでは終わらない。自然科学は客観的だと言っても、つきつめれば、そう
いった(正確だとされっる)情報やデータも、間違いやすい個々人が処理し
たものだということをよく考える必要がある。

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
Score!: 97 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。