名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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デカルトの「精神」は「思考(心的現象)の系列」

2018/01/31

 我々が,デカルトは思考の系列だ(であった/で構成されていた)(注:瞬間瞬
間の思考という現象の集合がデカルトを形成/なお,デカルトは既に亡くなっ
ているので,以後,過去形になっていることに注意))という時に「思考」に
よって何を言おうとしているのか(どういう意味を付与しているか)について
尋ねる時が来た。彼(デカルト)の身体は,一般に(精神とは)何か違ったもの
である(あった)と想定されていたのであるから,(「デカルトは思考の系列
だ(だった)」と言うよりも)デカルトの精神は思考の系列だ(だった),と
いう方が,慣習的には,より正しい(言い方)であろう,デカルトの精神は,彼
自身(自分自身)に対してなんであるか(あったか)であり,他の者に対して
何であるか(あったか)ではない,と言ってよいであろう。一方彼(デカルト)
の身体は公けの(公共的な)ものであったのであり(注:デカルトの物質的な
身体は,外部の人間が容易に客観的に観察可能),自分自身(デカルト自身)
に対してと同様に他人に対しても(過去に)現れた(のである)。デカルトは
「思考(thoughts)」という語を現在使われているよりもいくらか広い意味で使
っており,「心的現象(mental phenomena)」という語句(フレーズ)を代り
に使った方が,恐らく混乱を避けられるだろう。我々が通常「思考すること
(thinking)」と呼ぶものに到達する前に,「感覚(sensation)」及び「知覚
(perception)」という見出し(項目)に入れられる,もっと基本的な出来事が
ある。我々の常識は,知覚には常に対象があり,また一般に知覚の対象は心的
ではない,と言うだろう。感覚と知覚は,俗な言い方では,「思考」としては取
り扱われないであろう。思考は,記憶や信念や欲求のような出来事から成り立
っているだろう。このような狭い意味で思考について考える前に,感覚や知覚
について少し述べておきたい。
 「感覚」や「知覚」(という語)は両方ともいくらか混乱した概念であり,
普通に定義されるように,どちらかが起こるかどうか疑われるかも知れない。
そこで,最初の事例では,これらの語の使用を避けて,疑わしい仮定をできる
だけ少くして,起きることについて記述してみよう。

It is time to inquire what we mean by "thoughts" when we say that 
Descartes was a series of thoughts. It would be more conventionally 
correct to say that Descartes' mind was a series of thoughts, since 
his body is generally supposed to have been something different. His 
mind, we may say, was what Descartes was to himself and to no one 
else; whereas his body was public, and appeared to others as well as
 to himself. Descartes uses the word "thoughts" somewhat more widely 
than it would be used nowadays, and we shall, perhaps, avoid confusion
 if we substitute the phrase "mental phenomena." Before we reach what
 would ordinarily be called "thinking," there are more elementary 
occurrences, which come under the heads of "sensation" and 
"perception." Common sense would say that perception always has an 
object, and that in general the object of perception is not mental. 
Sensation and perception would, in common parlance, not count as 
"thoughts." Thoughts would consist of such occurrences as memories,
 beliefs, and desires. Before considering thoughts in this narrower 
sense, I should wish to say a few words about sensation and 
perception. 
Both "sensation" and "perception" are somewhat confused concepts, and,
 as ordinarily defined, it may be doubted whether either ever occurs.
Let us, therefore, in the first instance avoid the use of these words,
 and try to describe what occurs with as few doubtful assumptions as
 possible. 
 出典:Bertrand Russell : Mind and Matter (1950?)
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/19501110_Mind-Matter050.HTM

 <寸言>
 「思考」というより,「心的現象」といったほうがより客観的。

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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