名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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偉大な本の執筆の衰退

2018/01/23

 偉大な歴史(書)の執筆の衰退は偉大な本の執筆の衰退の一部にすぎません。
現代の科学者は,ニュートンの『プリンキビア』やダーウィンの『種の起源』
に匹敵する(比較できる)ような本は書きません。詩人はもはや叙事詩(注:
epics 英雄の業績や民族の歴史などを歌った長い詩)を書きません。学問の世
界では,あらゆるものが非常に速かに進行し,大規模な(大部の)本は,出版
できる前に時代遅れになってしまうでしょう。学問への貢献は,単行本の中に
は現れずに,定期刊行物に現れており,いかなる学問分野においても,以前偉
大な著作がそこから湧きでた(生まれた)ようなゆっくりした探求の時間があ
ると感じている人は,ごく少数のみです。もちろん例外はあります。最も注目
すべき人物の一人は,アーノルト・トインビー教授であり,彼の著作は以前の
いかなる著作にも匹敵するほど大規模なものです。しかし,そういった例外は
,一般的傾向を論駁するほど多くはありません。この傾向は,現在の人類が深
淵に向ってあわてふためいているのがなくなってきて世界がある種の進歩の形
式に落ち着くまで,続くと思っています。

The decay in the writing of great histories is only part of the decay
 in the writing of great books. Men of science nowadays do not write 
books comparable to Newton's Principia or Darwin's Origin of Species. 
Poets no longer write epics. In the learned world, everything moves so
 fast that a massive book would be out of date before it could be 
published. Contributions to learning appear in periodicals, not in 
separate books, and few men in any branch of learning feel that there
 is time for that leisurely survey from which great books formerly 
sprang. There are of course exceptions. One of the most noteworthy is
 Professor Toynbee, whose work is as massive as any of those of former
 times. But the exceptions are not sufficiently numerous to disprove
 the general trend. I suppose the trend will remain until the world
 settles down to some form of progress less helter-skelter than the
 present race toward the abyss. 
 出典:Bertrand Russell : History as an art (1954)
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/1057_HasA-180.HTM

 <寸言>
 現代においても世間から「画期的」と言われる著作はけっこう出版されてい
るが、それはある比較的狭い専門分野で「画期的」であるにすぎない。

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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