名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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馬の出現(今で言えば車の出現)をなげいたジェファーソン

2017/12/01

 幸福の全主題が,私の意見によれば,あまりにも厳粛に扱われすぎてきた(と
思う)。人は,人生観(theory of life)あるいは宗教なくして幸福ではありえ
ないと考えられてきた。おそらく悪しき考え方(人生観)によって不幸になっ
た人は,ちょうど,あなたが病気になったときに強壮剤を必要とするように,
回復を助けるためのもっとよい考え方(人生観)が必要だろう。しかし,物事
が正常な場合には(うまくいっている場合には),人は強壮剤なくして健康で
あろうし,人生観がなくても幸福であろう。

 真に重要なのは単純なことである。もし,ある人が妻や子供に喜びを見出し
,仕事に成功し,日夜及び春秋(季節)の交替に喜びを見い出せば,彼の人生
観がどうであれ,彼は幸福だろう。これとは反対に,彼が妻を憎み,子供の立
てる騒音に耐えられず,職場を悪夢(の場所)だと思えば,また,昼には夜を
待ち望み,夜には昼の光を思ってため息をつくならば,その時に彼に必要なも
のは新しい人生観ではなく,新しい摂生法,つまり,(いつもと)異なった食
事やもっと多くの運動等々であろう。

 人間は動物であり,人がそう考えたがる以上に,もっと人間の生理により多
く依存している。これは地味でつまらない結論ではあるが,私としては,この
ことを信じざるをえない。不幸な実業家は,人生哲学の想像可能ないかなる変
更によるよりも,一日6マイル歩くことによってより幸福が増すであろう,と
私は確信する。これは,偶然にも,ジェファーソンの意見であったが,彼はこ
の根拠に立って,馬の存在を嘆いた。彼が自動車の出現を予知できたなら,言
葉が出なかったことだろう。

The whole subject of happiness has, in my opinion, been treated too 
solemnly. It has been thought that men cannot be happy without a 
theory of life or a religion. Perhaps those who have been rendered 
unhappy by a bad theory may need a better theory to help them to 
recovery, just as you may need a tonic when you have been ill. But
 when things are normal a man should be healthy without a tonic and 
happy without a theory. It is the simple things that really matter. 
If a man delights in his wife and children, has success in work, and 
finds pleasure in the alternation of day and night, spring and autumn,
he will be happy whatever his philosophy may be. If, on the other 
hand, he finds his wife hateful, his children's noise unendurable, and
 the office a nightmare; if in the daytime he longs for night, and at
 night he sighs for the light of day--then what he needs is not a new
 philosophy but a new regimen--a different diet, or more exercise, or
 what not. Man is an animal, and his happiness depends upon his 
physiology more than he likes to think. This is a humble conclusion, 
but I cannot make myself disbelieve it. Unhappy businessmen, I am 
convinced, would increase their happiness more by walking six miles 
every day than by any conceivable change of philosophy. This, 
incidentally, was the opinion of Jefferson, who on this ground 
deplored the horse. Language would have failed him if he could have
 foreseen the motor car.
 出典: The road to happiness (1952)
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/1952_RtoH-060.HTM

 <寸言>
 いまだったら、鈍行というのどかな電車を駆逐していく新幹線や飛行機とい
ったところか?

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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