名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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ラッセルの祖父(英国の総理大臣)の業績

2017/11/06

・・・祖父の最大の業績(功績)は,英国を完全な民主主義への軌道に乗せた
ところの1832年の(第一次)選挙法改正案を通過させたことである。この法案
に対するトーリー党側の反対は大変なもので,ほとんど内乱までゆきそうだっ
た。当時の衝突は,英国における反動派と進歩派との間の決定的な闘いだった
。英国を革命から救ったのはこの闘いにおける平和的な勝利であった。そうし
て,この勝利を確保するためにもっともカを尽したのは私の祖父であった。彼
は、その後長い政治生活を送り,二度英国首相になったが,重大な危機のとき
に決定的な指導を行う(指導的な役割を果たす)機会は二度とやってこなかっ
た。彼は晩年にはある一点を除いては極めて穏健な自由主義であった。その一
点というのは,宗教的見地からの政治参加資格制限に対する彼の憎悪であった
。彼が若い頃,英国国教会に属していない人たちはすべて重大な政治的資格制
限を受けた。特にユダヤ人たちは,キリスト教徒のみが行いうる宣誓によって
,上下両院(国会)および多くの公職から排除された。1878年5月9日(ラッセ
ルが6歳になろうとしていた時)彼が亡くなる数日前に,我が家(Pembroke
 Lodge)の前の芝生に多くの熱心な顔をした人たちが集っているのを眺めてい
たのを,私はいまだ活き活きと思い出す。彼らは歓呼の声をあげたので,私は
何を祝っているのか尋ねた。(すると)彼らは指導的な非国教徒であり,彼ら
は祖父の最初の大事業,すなわち公職や議会から非国教徒をしめ出す審査法
(Test Act)及び地方自治体令(Corporation Act)廃止50周年記念日に,祖父
を祝福しているのだ,と告げられた。市民的及び宗教的自由への愛は,このよ
うな出来事や彼らを啓蒙した歴史を教えられることによって,私に強固にうえ
つけられた。この感情は,左右両方(左翼及び右翼両方)の私の多くの友人を
等しく誘惑した多様な全体主義体制を通して生き残ってきたのである。

His ( = Russell's grandfather's) greatest achievement was the carrying
 of the Reform Bill in 1832, which started Britain on the course that
 led to complete democracy. The opposition to this Bill on the part of
 the Tories was very violent and almost led to civil war. The clash at
 this time was the decisive battle between reactionaries and 
progressives in England. It was the peaceful victory in this battle 
that saved England from revolution, and it was my grandfather who did
 most to secure the victory. He had after this a long career in
 politics and was twice Prime Minister, but did not again have the 
opportunity to lead decisively at a great crisis. In his later years 
he was only moderately liberal, except in one respect, and that was 
his hatred of religious disabilities. When he was a young man all who
 were not members of the Church of England suffered grave political 
disabilities. Jews especially were excluded from both Houses of
 Parliament and from many offices by means of an oath which only 
Christians could take. I still remember vividly seeing a large 
gathering of earnest men on the lawn in front of our house on May 9,
 1878, when he was within a few days of his death. They cheered, and 
I naturally inquired what they were cheering about. I was told that 
they were leading nonconformists congratulating him on the fiftieth 
anniversary of his first great achievement, the repeal of the Test and
 Corporation Acts, which excluded nonconformists from office and 
Parliament. The love of civil and religious liberty was very firmly
 implanted in me by such incidents and by the teaching of history that
 illuminated them. This feeling has survived through the various 
totalitarian regimes that have seduced many of my friends of the Right
 and of the Left equally. 
 出典: Lord John Russell (1952).
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/1003_L-JR-010.HTM

 <寸言>
 選挙法施行に最大の業績のあったラッセルの祖父ジョン・ラッセル。ジョン
・ラッセルは総理大臣を2度務め、最高権力者にはなったが、ジョン・ラッセ
ルを含め、ラッセル家の人々には権威や権力に抵抗し、人間の自由を擁護する
ラッセル家の伝統が息づいている。(なお、ラッセルの次男の故コンラッド・
ラッセルは、ケンブリッジ大学の政治史の教授であった。)

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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