名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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役人(官公吏)の権力悪 − 「全体の奉仕者」というのは表向き

2017/10/25

 自由に関する一般的退歩(悪化)には理由がある。それは,組織の増大した
権力及び人間活動があれこれの大組織によって統制される程度の増大である。
あらゆる組織には二つの目的がある。一つは組織が存在する表向きの目的であ
り,他の一つは役人(officials)の権力の増大である(注:あらゆる組織のこ
とを言っているので,officials は,ここでは官僚=公務員だけでなく,権限
を有している全ての役職者のことを言っていると解釈すべきか/また,いかな
る組織も常に規模を大きくしようとする力が働くことを言っている。)。後者
(二番目)の目的の方が,関係する役人がそれに奉仕するのを期待される公け
の目的よりも彼ら役人にずっと強く訴えそうである。あなたが警察の不正行為
を暴露しようとして彼らと衝突をすれば,彼らの敵意を招くことが予想される
だろうし,そうなればあなたはひどい目にあうことはきわめてありそうなこと
である。

 私は,多くの自由主義的な人たちが,訴訟事件(裁判)になった時に裁判所
が公正な判決を行うかぎりは大丈夫だと信じているのを,(経験から)気づい
ている。だがこれは全く非現実的である。たとえば,ある教授が祖国に忠実で
ないという誤った告発によって解雇されるという,決して仮定の問題とはいえ
ない場合をとってみよう(注:ラッセルは実際,第一次世界大戦時に反戦運動
をしたために,ケンブリッジ大学を解雇されている! だからありそうもない
「仮定」の問題ではない)。彼が幸い裕福な友人を持っていれば,この攻撃が
間違っていることを法廷で決着できるだろうが,決着するまでにおそらく長い
年月がかかり,その間に飢えるかあるいは慈善に頼ることになるだろう(注:
従って現職の人間は,家族を養わないといけないので,長い時間がかかりそう
な裁判に訴えかけることをしない。たとえば,国立大学においても同様であり
,不当な人事が行われたとしても,文科省から天下ってきている人事担当理事
や事務局長に抵抗できず泣き寝入りすることになる)。ついには,彼はマーク
された人物(要注意人物)となる。知恵をつけた大学当局は,彼は講義がへた
で(よい教師ではなく),研究も十分やっていない(など)と言い出すだろう
。こうして,(刑が確定し)再び彼は(正式に)解雇され,今度は補償もなく
,しかもほとんど雇ってもらえる見込がないことに気づくことになるだろう。

There is a reason for the general deterioration as regards liberty. 
This reason is the increased power of organizations and the increasing
 degree to which men's actions are controlled by this or that large 
body. In every organization there are two purposes: one, the 
ostensible purpose for which the organization exists; the other, the
 increase in the power of its officials. This second purpose is very
 likely to make a stronger appeal to the officials concerned than the
 general public purpose that they are expected to serve. If you fall 
foul of the police by attempting to expose some iniquity of which they
 have been guilty, you may expect to incur their hostility; and, if 
so, you are very likely to suffer severely. 
I have found among many liberal-minded people a belief that all is 
well so long as the law courts decide rightly when a case comes before
 them. This is entirely unrealistic. Suppose, for example, to take a 
by no means hypothetical case, that a professor is dismissed on a 
false charge of disloyalty. He may, if he happens to have rich 
friends, be able to establish in court that the charge was false, but
 this will probably take years during which he will starve or depend 
on charity. At the end he is a marked man. The university authorities,
 having learned wisdom, will say that he is a bad lecturer and does 
insufficient research. He will find himself again dismissed, this time
 without redress and with little hope of employment elsewhere. 
 出典: Symptoms of Orwell's 1984,(1954).
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/1070_SoO-050.HTM

 <寸言>
 組織で力を持つには'ひと'(人事)と'かね'(財務)の権限を握らなければ
ならない。そこで,人事権や予算の裁量権(予算案作成の権限及び予算執行の
権限)を握ろうと競争が起こる。<br>
 独立法人化した国立大学においても同様。文科省から天下ってくる役人(人
事担当の理事や事務局長になる高級官僚や人事部長や財務部長になるエリート
官僚)は,東大法学部の出身者が多く,影で国立大学の異動官職の須要な全国
人事を操って,特権や利権をほしいままにしている(表向きは各大学が独自の
人事をやっていることになっている)。もちろん,少数の立派な官僚はいるが
,ヒラメのように目が上についている人間が多く・・・。

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
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