名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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ミル曰く:「国家は教育の'機会'を提供するだけにしなければならない」

2017/10/14

 自由を擁護する人たちが特有の困難に直面している領域がある。それは教育
の領域である。子供たちは教育を受けるか否かを(子供が)選択する自由があ
ると考えられたことはなかった。そうして,現在では,両親がこの選択の自由
(子供に教育を受けさせるかどうかの自由)を持つべきだとは考えられていな
い。ミルは,国家は子供は教育されなければならないと主張すべきであるが,
国家自体が教育を行うべきではないと考えていた。けれども,ミルは,教育は
どのようになされるべきかについては言うことをあまり持ちあわせていなかっ
た。彼が現在この問題について執筆しているとすれば,どのようなことを言う
か考察してみよう。
 まず原理的問題,すなわち,自由の愛好者は,学校で(子供に対し)どのよ
うな教育が行われるのを見たいかについて尋ねることから始めよう。理想的で
はあるがいくらかユートピア主義的な回答は,生徒が行わなければならないよ
うなことに関する論争的な問題についてはできるだけ合理的な判断を下せるよ
うに子供を教育すべきだ,ということであろう。このことは一方では(裁判官
のように)公平な思考習慣の訓練を,また,他方では知識の偏らない供給を,
必要とする。このようにして,生徒は大人になる途上で,真に自由な選択への
準備ができるであろう,我々は子供に自由を与えることはできないが,自由へ
の準備を与えることはできる。そうして,これは教育がなすぺきことである。

There is one sphere in which the advocate of liberty is confronted 
with peculiar difficulties. I mean the sphere of education. It has 
never been thought that children should be free to choose whether they
 will be educated or not; and it is not now held that parents ought to
have this freedom of choice. Mill thought that the State should insist
 that children should be educated, but should not itself do the 
educating. He had, however, not very much to say about how the 
educating should be done. I will try to consider what he would say on
 this subject if he were writing now. 
Let us begin by asking the question of principle, namely, what should 
a lover of liberty wish to see done in the schools? I think the ideal 
but somewhat Utopian answer would be that the pupils should be 
qualified as far as possible to form a reasonable judgment on 
controversial questions in regard to which they are likely to have to
 act. This would require, on the one hand, a training in judicial 
habits of thought; and, on the other hand, access to impartial 
supplies of knowledge. In this way the pupil would be prepared for a
genuine freedom of choice on becoming adult. We cannot give freedom to
 the child, but we can give him a preparation for freedom; and this is
 what education ought to do. 
 出典: John Stuart Mill,1955.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/1097_JSM-230.HTM

 <寸言>
 国家は子ども(や子ども以外の必要な者)に教育の機会を提供しなければな
らないが、その内容に直接口をはさむべきではない、という考え方。教科書検
定などもってのほか。

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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