名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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社会主義社会における競争

2017/09/27

 (ミル『政治経済学原理』の中の)「労働者階級の起こりそうな(ありそう
な)未来」と題する章で,彼は自分が期待するユートピア(社会の姿)を展開
している。彼は,生産(活動)が自発的な労働者からなる社会の手中にあるの
を見ることを期待する。生産(活動)は,マルクス主義社会主義者が主張して
いるように国家の手中にあるべきではない,と彼は考える(注:マスクス主義
者は,主要な生産活動は国家が管理すべきだと主張)。ミルの期待する社会主
義は,サン・シモンや,フーリエの(描く)社会主義である。(ロバート・オ
ーエンは,私の考えでは,ミルによって充分強調されていない。)ミルの書い
ているマルクス主義以前の社会主義は,国家権力を増大させることを目的とは
しなかった(注:因みに,『共産党宣言』が出版されたのは1848年のこと)。
ミルは,社会主義(社会)のもとにおいてさえも,競争相手の資本家相互では
なく,競争相手の労働者者相互でのことになるであろうが,競争はあるべきで
あろう,と力強く論じている。彼は,自分が擁護するような社会主義者の体制
では,商品の総生産高は資本主義のもとでよりも少なくなる可能性があること
を認める方に心が傾いているが,このことは,全ての人々が合理的かつ安楽な
暮しができるならば,大して悪いことではないと主張する。

In his chapter on "The Probable Futurity of the Laboring Classes" he 
develops a Utopia to which he looks forward. He hopes to see 
production in the hands of voluntary societies of workers. Production
 is not to be in the hands of the State, as Marxian Socialists have 
maintained that it should be. The Socialism to which Mill looks 
forward is that of St. Simon and Fourier. (Robert Owen, to my mind, is
 not sufficiently emphasized.) Pre-Marxian Socialism, which is that of
 which Mill writes, did not aim at increasing the power of the State. 
Mill argues emphatically that even under Socialism there will still 
have to be competition, though the competition will be between rival
 societies of workers, not between rival capitalists. He is inclined 
to admit that in such a Socialist system as he advocates the total 
production of goods might be less than under capitalism, but he 
contends that this would be no great evil provided everybody could
 be kept in reasonable comfort. 
 出典: John Stuart Mill,1955.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/1097_JSM-070.HTM

 <寸言>
 2〜3%の人々(国民)が国家の富のほとんどを所有し,大部分の人々(国
民)が貧しい生活をしているとしても,そのほうがよい社会だという考えに
「洗脳」されている人々。宝くじに対する期待も似たようなもの。ほとんど
の人が「はずれる」のはわかりきっているのに、「アメリカン・ドリーム」
のように、もしかすると自分が「当たる」(成功するかも知れない!(夢や
希望が大事!)と自らに言い聞かせる人々・・・。

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