名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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勝者に奢りを,敗者に屈辱と憎悪を産む「解決法」 − 理性の敵

2017/09/20

 私は理性と科学との進歩からもっと多くのものが期待できると考えている。
人々は,次第に,憎悪と不正に基づいた制度を持つ世界は最も幸福を産み出し
そうな世界ではない,ということを認識するようになるであろう。先の戦争
(第一次世界大戦)はこの教訓を少数の人々に教えたが,もしも仮にあの戦争
が勝負がつかずに(引き分けに)終っていたとしたら,もっと多くの人々にこ
の教訓を教えたことであろう(注:実際は,勝者に奢りを,敗者に屈辱と憎悪
を産んでしまい,第二次世界大戦の原因の一つとなった。)。我々には,生命
に対する愛に基づいた道徳や成長に対する喜びや積極的な物事の成就に基づい
た道徳が必要なのであって,抑圧や禁制に基づいた道徳が必要なのではない。
人は,幸福で包容力があり寛大であり,他人の幸福を喜ぶようであれば,「善
い」と考えられるべきである。(即ち)もしそうであるならば,ちょっとした
間違いは,大して重要なことではないと考えられるべきである。しかし,残酷
と搾取によって財をなす人は,我々が現在「不道徳な」人間と見なすように
(同類として)見られるべきであり,そのような人は,たとえ規則的に教会に
通い,悪しきやり方で得た利益の一部を公共の目的に寄付するとしても,やは
りそのように見られるべきである。このことをもたらすためには,重要な名士
(お偉方)の間でいまだに「美徳」として検閲を通っている(合格している)
,迷信と圧迫との混じりあったたものを注入するかわりに,倫理に係る問題に
対する合理的態度を注入することだけが必要である。理性の力は今日小さなも
のだと考えられているが(注:反知性主義),しかし私は依然として悔いあら
ためない一人の合理主義者であり続けている。理性は小さなカかも知れないが
,しかしそれは常住不変であり,常に一つの方向に働らくのに対し,不合理の
カは無益な戦いのなかでお互いを破壊しあう。従って,あらゆる不合理の馬鹿
騒ぎは,結局,理性の友を強化し,理性の友こそ人類の唯一の真実の友である
ことを,あらためて示すものである。

More is to be hoped, I think, from the progress of reason and science.
Gradually men will come to realise that a world whose institutions are
 based upon hatred and injustice is not the one most likely to produce
 happiness. The late war taught this lesson to a few, and would have 
taught it to many more if it had ended in a draw. We need a morality
 based upon love of life, upon pleasure in growth and positive 
achievement, not upon repression and prohibition. A man should be 
regarded as 'good' if he is happy, expansive, generous and glad when 
others are happy; if so, a few peccadilloes should be regarded as of 
little importance. But a man who acquires a fortune by cruelty and
exploitation should be regarded as at present we regard what is called
 an 'immoral' man; and he should be so regarded even if he goes to 
church regularly and gives a portion of his ill-gotten gains to public
objects. To bring this about, it is only necessary to instil a 
rational attitude towards ethical questions, instead of the mixture of
 superstition and oppression which still passes muster as 'virtue' 
among important personages. The power of reason is thought small in 
these days, but I remain an unrepentant rationalist. Reason may be a
 small force, but it is constant, and works always in one direction, 
while the forces of unreason destroy one another in futile strife. 
Therefore every orgy of unreason in the end strengthens the friends of
 reason, and shows afresh that they are the only true friends of 
humanity.
 出典: The Harm That Good Men Do,1926.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0393_HGMD-150.HTM

 <寸言>
 世の中を正義と悪に分け(二分法,悪を徹底的にたたくことにより良い(正
しい)世界が実現すると考える愚かさ、傲慢さ。

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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