名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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 保守主義者と伝統的道徳の擁護

2017/09/19

 伝統的道徳を擁護する人たちも,時には,伝統的道徳が完全なものでないこ
とを認めるであろう。しかし,彼らは,道徳に対するいかなる批判も,道徳を
全て壊してしまう,と強く主張する。このことは,道徳に対する批判が何らか
積極的かつ建設的なものに基づいてなされているのなら当てはまらないであろ
うが,その批判が一時的な楽しみにすぎないものを目当てになされる時だけは
当っている。
 べンサムに戻ろう。彼は,社会道徳(注:morals 複数形)の基盤として,
「最大多数の最大幸福」を唱えた。この原理に基づいて行動する人は,単に因
襲的な教えに従っているだけの人よりも,ずっと骨の折れる生涯を送るであろ
う。彼は必然的に抑圧された人たちのために闘う者(擁護者)となるであろう
し,そのために偉い人たち(大物/権力者)の敵意を招くであろう。彼は,権力
者が隠したいと望む事実を公表するであろう。彼は,同情を必要としている人
々からその同情を遠ざける(同情がいかないようにする)意図を持った虚偽を
否定するであろう(注:たとえば,困窮した人々に援助の手は必要ない,ある
いはそんなことはその人たちのためにならない,といった嘘を虚偽だと否定す
る)。そのような生活様式は,本ものの道徳を破壊することにはならない(はず
である)。官製(お上)の道徳は(これまで)いつも抑圧的,否定的なもので
あった。それは「汝・・・べからず」と言ってきたし,規則の禁じていない活
動の結果を調べる労をとったことがない。この種の道徳に対して,神秘思想家
や宗教関係の教師(導師)は皆抗議してきたけれども無駄であった(効果はな
かった)。(即ち,)彼らに従う者たちは,彼らの最もはっきりした意見さえ
も無視した(のである)。それゆえ,彼らのやり方では,いかなる大規模な改
善も生じそうにないように思われる。

Those who defend traditional morality will sometimes admit that it is
 not perfect, but contend that any criticism will make all morality 
crumble. This will not be the case if the criticism is based upon 
something positive and constructive, but only if it is conducted with
 a view to nothing more than momentary pleasure. To return to Bentham:
 he advocated, as the basis of morals, 'the greatest happiness of the
 greatest number'. A man who acts upon this principle will have a much
 more arduous life than a man who merely obeys conventional precepts. 
He will necessarily make himself the champion of the oppressed, and so
incur the enmity of the great. He will proclaim facts which the powers
 that be wish to conceal; he will deny falsehoods designed to alienate
 sympathy from those who need it. Such a mode of life does not lead to
 a collapse of genuine morality. Official morality has always been 
oppressive and negative: it has said 'thou shalt not', and has not 
troubled to investigate the effect of activities not forbidden by the
 code. Against this kind of morality all the great mystics and 
religious teachers have protested in vain: their followers ignored
 their most explicit pronouncements. It seems unlikely, therefore, 
that any large-scale improvements will come through their methods. 
 出典: The Harm That Good Men Do,1926.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0393_HGMD-140.HTM

 <寸言>
「由らしむべし知らしむべからず」(一般大衆は愚かなので,説明しても理解
しない。従って,社会秩序を保つためには,「余分なこと」は知らせない方が
よい。)の精神で政治を行う保守政治家たち。つまり,自分たちは一般庶民と
は違うと思っている。彼らは,選挙で落選すれば「タダの人」になってしまう
が、国会に議席をもっていなくても保守党に所属していれば(与党「関係者)」
であれば)一般国民の「上にたてる」と思っている人たちである。

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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