名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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H. G. ウェルズとの出会い

2017/09/04

 私は,シドニー・ウェッブが H. G. ウェルズのことを「効率懇話会」の一
員(会員)になるように招いた人物として言及するまで,彼(ウェルズ)につ
いてまったく聞いたことがなかった。ウェッブは,私に,ウェルズはしばらく
の間ジュール・ヴェルヌ(注:Jules G. Verne, 1828-1905。フランスのSF
作家で,H. G. ウェルズとともにSFの開祖として著名)の文体で(いろいろ)
小説を書いた若者であるが,彼は,これらの小説で名声と財産を得られると,
もっとまじめな著作(の執筆)に専心したいと望んでいる,と告げた。私はす
ぐに,効率懇話会の大部分の人間と共感できず,議論によって利益を得たり,
彼らのために役立ったりすることはできない,ことがわかった。ウェルズと私
以外の会員はみな帝国主義者であり,あまり不安を抱くことなしに,ドイツと
の戦争を待ち望んでいた。私はこの見解に対して反感をともにすることで,ウ
ェルズに惹きつけられた。彼は社会党員(注:"Socialist" と大文字であるこ
とに注意)であり,当時(後になると違ったが),大規模な戦争を愚行である
と考えていた。当時野党(注:"Oppositon" と大文字であることに注意)の立
場にあったエドワード・グレー卿は,後にフランスとロシアとの協商政策(注:
三国協商)となってあらわれたものを擁護した時に,問題は頂点に達した。その
政策は保守党によっておよそ二年後に採用され,エドワード・グレー卿が外務
大臣になった時に,確定的なものとなった。私はこの政策に,激しく反論した
。私はその政策は世界戦争に直結するものであると感じたが,ウェルズ以外だ
れも同意しなかった。

I had never heard of Wells until Webb mentioned him as a man whom he 
had invited to become a Co-efficient. Webb informed me that Wells was 
a young man who, for the moment, wrote stories in the style of Jules 
Verne, but hoped, when these made his name and fortune, to devote 
himself to more serious work. I very soon found that I was too much 
out of sympathy with most of the Co-efficients to be able to profit by
the discussions or contribute usefully to them. All the members except
Wells and myself were Imperialists and looked forward without too much
apprehension to a war with Germany. I was drawn to Wells by our common
antipathy to this point of view. He was a Socialist, and at that time,
 though not later, considered great wars a folly. Matters came to a 
head when Sir Edward Grey, then in Opposition, advocated what became 
the policy of the Entente with France and Russia, which was adopted by
 the Conservative Government some two years later, and solidified by 
Sir Edward Grey when he became Foreign Secretary. I spoke vehemently 
against this policy, which 1 felt led straight to world war, but no 
one except Wells agreed with me. 
 出典: H. G. Wells, 1953.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/1037_WELLS-020.HTM

 <寸言>
 シドニー・ウェッブなど社会主義や民主主義を標榜する人間も,対外的には
国家主義的及び帝国主義的になりがちであった時代。もちろん日本も例外では
なかった。 

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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