名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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「偶像破壊者」としてはすぐれていたが・・・

2017/09/02

 バーナード・ショーは論争家として彼の才能を最も発揮した(最も優れてい
た)。彼の論敵に何か愚かなことあるいは不誠実なことがあれば,的確に(間
違うことなく)それをつかみ,論争で彼の側(味方)に立つすべての人々を喜ば
したものである。第一次大戦の始めに,彼は『戦争の常識』を出版した。彼は
平和主義者として書いたわけではかなかったけれど,政府(英国政府)とその
追従者の偽善的な高い道徳的調子に黙従することを拒否し,多くの愛国的な人
たちを激怒させた。彼はこの種の面では全く賞讃に値したが,ついにはソビエ
ト政府への追従の犠牲者となり,突然批判力を失い,また,モスクワからきた
場合にはその虚偽を見抜くカを失った。論争においては彼は優れていたが,彼
が自分自身の意見を展開する段になると,論争の時と較べれば遠くおよばず
(ずっと見劣りし),いくらか無秩序なものであり、ついには,晩年において
は,体系的マルクス主義に黙従するまでになった。ショーは賞賛すべき多くの
特質をもっていた。彼はまったく恐れを知らなかった。自分の意見が受けの
よいものであろうがなかろうが,同じ気力で表現した。彼は慈悲に値しない人
たちには無慈悲であった(容赦なかった)が,時には彼の餌食に値しない人た
ちにも無慈悲であった。総じて言えば,彼は多くの善いことをしたが,幾分の
害を与えたと言ってもよいだろう。偶像破壊者としては彼は賞賛すべきであっ
たが,一人の偶像としては偶像破壊者ほど賞賛すべき人物ではなかった。

Shaw was at his best as a controversialist. If there was anything 
silly or anything insincere about his opponent, Shaw would seize on it
 unerringly to the delight of all those who were on his side in the 
controversy. At the beginning of the First World War he published his
 Common Sense about the War. Although he did not write as a Pacifist,
 he infuriated most patriotic people by refusing to acquiesce in the
 hypocritical high moral tone of the Government and its followers. 
He was entirely praiseworthy in this sort of way, until he fell a 
victim to adulation of the Soviet Government and suddenly lost the 
power of criticism and of seeing through humbug if it came from 
Moscow. Excellent as he was in controversy, he was not nearly so good
 when it came to setting forth his own opinions, which were somewhat
 chaotic until in his last years he acquiesced in systematic Marxism.
 Shaw had many qualities which deserve great admiration. He was 
completely fearless. He expressed his opinions with equal vigor 
whether they were popular or unpopular. He was merciless toward those
 who deserve no mercy but sometimes, also, to those who did not 
deserve to be his victims. In sum, one may say that he did much good
 and some harm. As an iconoclast he was admirable, but as an icon r
ather less so.
 出典: Bernard Shaw, 1953.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/1036_GBS-070.HTM

 <寸言>
 よくあること。不正や偽善を摘発・攻撃するときは素晴らしく見えても,守
りの立場になると,あっという間になさけない姿を見せる者(特に政治家)は
多い。
 小池百合子東京都知事も都議会で与党だった自民党をもっと情報公開すべき
だと攻撃していた時は多くの者が共感していたが、自分たちが与党になるとあ
っという間に情報公開に後ろ向きになってしまった。与党「都民ファーストの
会」所属議員に緘口令をひくなどというのは裏切り行為(言っていることとや
っていることが真逆)と言わざるをえない。

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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