名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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美文と良い文章とは別物

2017/08/25

 フローベールとペイターは,私に関する限り,忘れてしまうのが最良である
,ということがわかった。(文章は)どのように書くべきかについて,現在
私が考えていることは,18歳の時考え(てい)たこととそれほど大きくは違わ
ないけれども,私の執筆法における発展は決して直線的なものではなかった。
20世紀の最初の数年間,私はもっと装飾的かつ修辞的な文体(注:美辞麗句)
で書こうとの野心をもっていた。それは『自由人の信仰』(A freeman's 
worship) −現在では良いものであるとは考えていないもの− を書いた時期だ
ったが,今ではこの著作をあまりよいものと思っていない(注:この有名なエ
ッセイは,1902年に書かれ,Independent Review 誌の1903年12月号に掲載され
た)。当時私は,ミルトンの散文に浸っており,彼の動揺の時期(注:ミルト
ンの心が揺れ動いた時代の作品のこと?)は私の心の空洞(洞穴)の中に反響
した。私は,もはやそのような時期(の作品)に感動しないと(までは)言え
ないが,それらを模倣することは一定の不誠実を伴っている。事実,模倣はす
べて危険なものである。(キリスト教の)祈祷書や欽定訳聖書以上に,文体に
おいてすぐれているものはないが,それらは我々の時代とは異なった思考法や
感情を表わしている。文体は,親しみやすく,作者の個性のほとんど無意識的
な表現でなければよいものとは言えないし,また,作者の個性は表現するに価
するものでなければよいとは言えない。しかし,直接の模倣は常に非難される
べきであるが,よい散文に親しむことは,特に散文のリズムに対する感覚を養
うことにおいて,得られるものが大である。

Flaubert and Pater, I have found, are best forgotten so far as I am 
concerned. Although what I now think about how to write is not so very
 different from what I thought at the age of eighteen, my development 
has not been by any means rectilinear. There was a time, in the first
 years of this century, when I had more florid and rhetorical 
ambitions. This was the time when I wrote The Free Man's Worship, 
a work of which I do not now think well. At that time I was steeped 
in Milton's prose, and his rolling periods reverberated through the 
caverns of my mind. I cannot say that I no longer admire them, but for
 me to imitate them involves a certain insincerity. In fact, all 
imitation is dangerous. Nothing could be better in style than the 
Prayer Book and the Authorized Version of the Bible, but they express
 a way of thinking and feeling which is different from that of our 
time. A style is not good unless it is an intimate and almost 
involuntary expression of the personality of the writer, and then 
only if the writer's personality is worth expressing. But although 
direct imitation is always to be deprecated, there is much to be 
gained by familiarity with good prose, especially in cultivating a 
sense for prose rhythm.
 出典: How I write, 1951.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0951_HIW-030.HTM

 <寸言>
 中身が大事。ただし、ここちよい文体は理解と記憶保持を助ける。

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
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