名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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「年をとる」のを遅らせるには・・・

2017/08/18

 こんな表題(「年のとり方」)をつけたが,この文章は,実際は,いかにした
ら年を取らないかに関するものであり,それは,私の年頃ではずっと重要な問
題である。私の助言の第一は,祖先を注意深く選ぼうということである(注:
逆に言えば,祖先がみな体が弱かったら,子孫もまず長寿は無理だろう,とい
うこと)。私の親は二人とも若くしてなくなったが,それ以外の祖先について
は首尾よく選ぶことができた。なるほど母方の祖父は67歳の,若くて花盛りの
年(齢)に亡くなったが,他の3人の祖父母はみな80歳過ぎまで生きた。遠い
祖先については,高齢に達せずして亡くなった人を,私はただ一人しか見出す
ことができないが,その祖先は,今日では稀な病気で −− 即ち、首を切られ
て亡くなった。ギボン(注:英国の歴史家で,名著「ローマ帝国衰亡史」で知ら
れている。)の友人だった曾祖母は,92歳まで生き,息を引きとる日まで,子
供や孫たちの恐怖の的であった。母方の祖母(注:Lady Stanley)には,幼児
のとき死んだ子が一人おり,流産を頻繁に経験したが,他に子供を9人残した後
,未亡人になるやいなや女性の高等教育に身をささげた。彼女は(Cambridge 
大学の)ガートン・コレッジの創立者の一人であり,女性に医療専門職になる
道を開くために力を尽くした。彼女はイタリアでとても悲しそうな表情の年配
の紳士に会った時の話をよくしていた。彼女がなぜそんなに憂欝そうな顔をし
ているのかと聞くと,彼は今ちょうど二人の孫と別れてきたところだと言っ
た。彼女(祖母)は叫んだ,「まあ,私には孫が72人もいますのよ。私がその
中の一人と別れるたびに悲しがっていたら,とっても陰気な人間になってしま
うでしょう。」「(それは)ひどい(イタリア語: Madre snaturale)」,と
彼は応えた。しかし,彼女の孫72人の一人として,私は,彼女のやりかた(対
処法)の方を好む。80歳を過ぎてから,彼女は眠りつくのに困難を覚えるよう
になったので,習慣的に夜中から午前三時まで通俗科学の本を読んで過ごした
。彼女が年老いてゆくのに気がつく時があったとは,私には信じられない。こ
れは,(いつまでも)若いままでいる(若さを保つ)ために適切な処方箋(対
処法)である,と私は考える。諸君がまだやれるものに幅広くて強烈な興味を
いだいて活動するならば,いままで生きた年数という,たんなる統計学的事実
に思いわずらう理由はないだろうし,まして,未来の蓋然的な短さなどという
ことに思いわずらう理由はないだろう

In spite of the title, this article will really be on how not to grow
 old, which, at my time of life, is a much more important subject. My
 first advice would be to choose your ancestors carefully. Although 
both my parents died young, I have done well in this respect as 
regards my other ancestors. My maternal grandfather, it is true, was
 cut off in the flower of his youth at the age of sixty-seven, but my
 other three grandparents all lived to be over eighty. Of remoter 
ancestors I can only discover one who did not live to a great age, and
 he died of a disease which is now rare, namely, having his head cut 
off. A great-grandmother of mine, who was a friend of Gibbon, lived to
 the age of ninety-two, and to her last day remained a terror to all 
her descendants. My maternal grandmother, after having nine children 
who survived, one who died in infancy, and many miscarriages, as soon 
as she became a widow devoted herself to women’s higher education. 
She was one of the founders of Girton College, and worked hard at 
opening the medical profession to women. She used to tell of how she 
met in Italy an elderly gentleman who was looking very sad. She asked
 him why he was so melancholy and he said that he had just parted from
 his two grandchildren. ‘Good gracious,’ she exclaimed, ‘I have 
seventy-two grandchildren, and if I were sad each time I parted from 
one of them, I should have a miserable existence!’Madre snaturale!,'
 he replied. But speaking as one of the seventy-two, I prefer her 
recipe. After the age of eighty she found she had some difficulty in 
getting to sleep, so she habitually spent the hours from midnight to 
3 a.m. in reading popular science. I do not believe that she ever had
 time to notice that she was growing old. This, I think, is the proper
 recipe for remaining young. If you have wide and keen interests and 
activities in which you can still be effective, you will have no 
reason to thinkabout the merely statistical fact of the number of 
years you have already lived, still less of the probable shortness 
of your future.
 出典: How to grow old, 1951.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0958HTGO-010.HTM

 <寸言>
 世の中や人間に対する好奇心がなくなったら急に老け込むであろうこと。 

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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