名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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「全能の」神が不完全な世界や人間を創造してくれた「おかげ」で?

2017/08/15

 「上品な」人々の主な特徴は,現実に改善を加えようという賞賛すべき行い
である。神は世界を創造した(ことになっている)が,「上品な」人々は,
(神がなした)その仕事を(自分たちなら)もっとうまくなしえたであろうと
感じている(注:神が最善の世界を創造したのであれば改善の余地はないが,
「改善できる」ということは,神は最善の世界を創造したのではないことにな
る)。神の創ったもののなかには,(現実とは)異なったものであったらよか
ったと望むことは(神に対する)不敬(冒漬)であると同時に(while),言
及することは決して「上品」ではない事柄が,たくさんある。神学者たち
(divines 複数形)は,もし我々(祖先)の最初の両親(注:アダムとイブ)
がリンゴを食べなかったなら,人類は,ギボンが名付けたように,ある種の汚
れのない植物的な方法(some innocent mode of vegetation)によって繁殖
(子孫を補充)しただろうと考えてきた(注:楽園のリンゴを食べるなという
神の掟を破った人間は,楽園から追放され,以後,産みの苦しみを味わうこと
になった,という神話のこと)。この点についての神の計画は,確かに,神秘
的である。前述の神学者たちのように,それ(注:性行為を経ての出産)を罪
(原罪)の一つの処罰(の仕方)という見地から見ることはたいへん結構なこ
とであろうが,この見方について困ったことは,「上品な」人々には(性行為
経由の出産は)処罰であるかも知れないけれども,他の人々にとっては,残念
ながら,それ(性行為及び出産)は極めて心地よいと思うことである。それゆ
え,産みの苦しみという罰は,間違ったところに落ち込むようになされてしま
ったかのようである。「上品な」人々の主な目的の一つは,疑いもなく,この
意図されなかった不正を矯正することである。彼ら(「上品な」人々)は,生
物学的に定められた植物的方法が,こっそりと,あるいは不感症的に実践され
るように,また、それをこっそりと実践している人々が発見された時には,醜
聞(スキャンダル)により彼らになされる損害のために(彼らに損害を与える
ために),必ず「上品な」人々の手中にある(落ちいる)ように,努力して確
保しているのである。「上品な」人々は,この問題(主題)については,見苦
しくないやり方で,世の中に可能なかぎり知られないように努力する。
(即ち)彼らは,この性の問題(主題)を表現する本や演劇を,くすくす笑っ
て下劣なことをする機会としてではなく,検閲して禁止しようとする。このこ
とについては,彼らはどこにおいても,法律や警察を支配する限り,成功する
(のである)。なぜ 主(神)が人間の身体を現にあるように創られたのかわ
かっていない。なぜなら,全能の神は,人体を「上品な」人々にショクを与え
ないように創られたと想定しなければならないからである。けれども,もしか
すると,十分な理由(good reason)があったのかもしれない。英国においては
,ランカシャー地方で織物工業の勃興以来,宣教師たちと綿貿易との間には,
密接な同盟関係(alliance)があった。というのは,宣教師は未開人に身体をお
おうことを教え,それによって,綿製品の需要が増加しているからである。身
体について恥ずかしがることがまったくなかったら,織物貿易はその利益の源
泉を失ったことであろう。この実例は,美徳(徳目)の普及が我々の利益を減
少させないかと心配する必要は決してないことを示している。(注:皮肉)

The chief characteristics of nice people is the laudable practice of 
improvement upon reality. God made the world, but nice people feel 
that they could have done the job better. There are many things in 
the Divine handiwork which, while it would be blasphemous to wish them
 otherwise, it would be by no means nice to mention. Divines have held
that if our first parents had not eaten the apple the human race would
 have been replenished by some innocent mode of vegetation, as Gibbon
 calls it. The Divine plan in this respect is certainly mysterious. 
It is all very well to regard it, as the aforesaid divines do, in the
 light of a punishment of sin, but the trouble with this view is that
 while it may be a punishment for the nice people, the others, alas, 
find it quite pleasant. It would seem, therefore, as if the punishment
 had been made to fall in the wrong quarter. One of the main purposes
 of the nice people is to redress no doubt this unintended injustice.
 They endeavor to secure that the biologically ordained mode of 
vegetation shall be practiced either furtively or frigidly, and that
 those who practice it furtively shall, when found out, be in the 
power of the nice people, owing to the damage that may be done to them
 by scandal. They endeavor to ensure also that as little as possible 
shall be known on the subject in a decent way; they try to get the 
censor to forbid books and plays which represent the matter otherwise
 than as an occasion for sniggering nastiness; in this they are 
successful wherever and in so far as they control the laws and the 
police. It is not known why the Lord made the human body as he did, 
since one must suppose that omnipotence could have made it such as 
would not have shocked the nice people. Perhaps, however, there was a
 good reason. There has been in England, ever since the rise of the 
textile industry in Lancashire, a close alliance between missionaries
 and the cotton trade, for missionaries teach the savages to cover up
 the human body and thereby increase the demand for cotton goods. 
If there had been nothing shameful about the human body, the textile
 trade would have lost this source of profit. This instance shows that
 we need never be afraid lest the spread of virtue should diminish our
 profits.
 出典:Nice People, 1930 (pub. in 1931)
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0464NP-050.HTM

 <寸言>
 宗教を信じる人も「神」に対する理解は人様々でとてもボンヤリとしている。

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
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