名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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進歩や幸福の敵としての宗教

2017/08/09

 けれども,そのように(注:一切タブーなしに,恐怖心を植え付けられずに)
教育された若者は,大人の生活に入ると,不正(不公正)と残酷と避けらるこ
とが可能な悲惨に満ちた世界に飛び込んでいる自分に気がつく。現代世界に存
在する不正(不公正),残酷,悲惨は過去の遺産であり,その最終的な根源は
経済的なものである。なぜなら,昔は,(収入・食料不足時における)生存の手
段のための生きるか死ぬかの競争は,避けられなかったからである。我々の時
代においては,それは避けられないことはない。我々の現代の産業技術をもっ
てすれば,我々がその気になれば,すべての人に,耐えられる生活を与えるこ
とができる。産児制限(避妊)をするくらいなら,(急速な人口増加による)
戦争,疫病,飢饉(食料不足)の方を選ぼうとするキリスト教会(注:特にカ
トリック教会)の政治的影響力に妨げられなければ,我々は世界の人口の安定
化をも,また,確保できる。普遍的な(広汎な)幸福を確保できる知識は存在
している。(注:大竹勝・訳『(ラッセル)宗教は必要か』では 'universal 
happiness' を「宇宙の幸福」と誤訳している)その知識の活用に対する主要な
障害は,宗教の教えである。宗教は,我々の子供(たち)が合理的な教育を受け
るのを邪魔している。宗教は,我々が戦争の根本的な原因(注:人口爆発によ
る貧困など)を取り除くのを(注:産児制限反対などにより)阻止している。
宗教は,旧い荒々しい罪と罰の教義の代わりに,科学的な協力の倫理を我々が教
えるの邪魔している。人類は黄金時代の戸口に足をかけているとも言えよう。
しかし,もしそうだとするならば,まず第一にその戸(ドア)を守っているド
ラゴン(竜)を殺す必要がある。その竜とは宗教である。

On entering adult life, however, a young person so educated will find
 himself or herself plunged into a world full of injustice, full of 
cruelty, full of preventable misery. The injustice, the cruelty, and 
the misery that exist in the modern world are an inheritance from the
 past, and their ultimate source is economic, since life-and-death 
competition for the means of subsistence was in former days 
inevitable. It is not inevitable in our age. With our present 
industrial technique we can, if we choose, provide a tolerable 
subsistence for everybody. We could also secure that the world's 
population should be stationary if we were not prevented by the 
political influence of churches which prefer war, pestilence, and 
famine to contraception. The knowledge exists by which universal 
happiness can be secured; the chief obstacle to its utilization for
 that purpose is the teaching of religion. Religion prevents our 
children from having a rational education; religion prevents us from
 removing the fundamental causes of war; religion prevents us from 
teaching the ethic of scientific co-operation in place of the old 
fierce doctrines of sin and punishment. It is possible that mankind is
 on the threshold of a golden age; but, if so, it will be necessary 
first to slay the dragon that guards the door, and this dragon is 
religion.
 出典:Has Religion Made Useful Contributions to Civilization? 1930
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0466HRMUC-210.HTM

 <寸言>
 諸宗教が世界宗教会議を開催し,雌雄を決する覚悟で徹底的に討論すべし。
 冷静な立場(第三者の立場で議論を注視すれば)ほとんどの宗教の化けの皮
がはがれるはずである。

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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