名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
読者と一緒に育てていきたいと思っています.


全て表示する >

自由意志の問題

2017/08/01

 そこで,自由意志の問題は,まったく以前のまま(注:決着つかず/人間に自
由意志があると証明できない状態のまま)である。それについて,究極的な形
而上学上の問題としてどのように考えられようとも,実際においては,自由意
志の問題について誰も(人間に自由意志はないとか,あるいは意志でなんでも
できるなどとは)信じないことは明らかである。誰もが,人格を訓練すること
が可能であると常に信じてきた。(また)誰もが,常にアルコールあるいは阿片
は,人間の行為に一定の影響を与えるであろうことを知っていた。自由意志の
使徒は,人は意志の力で酔わないでいられると主張(断言)するであろうが,
人は酔っ払った時に(も)素面(しらふ)の時のようにはっきりと「英国憲法」
(British Constitution)と発音できるとは断言しない。また,子供たちを扱
ったことのある人なら,この世で最も雄弁な説教よりも,適切な食事(a 
suitable diet)をとらせるほうが,より子供たちを道徳的にさせることができ
ることを知っている。自由意志の教義が実際において与える一つの効果
(effect)は,人々をしてこういった常識的な知識(注:人間の意志の力の弱さ
あるいはなさ)からその合理的な結論(注:人間に自由意志はほとんどないと
いう主張)にまでつき進むことをふせぐ点にある。ある人が我々を困らせるよ
うなやり方でふるまう時,我々はその人を悪い人間だと思いたがり,また,そ
の人の迷惑行為は,それを十分(過去に)たどると,彼が生まれる瞬間以前に
まで及び,それゆえ,いくら想像をたくましくしてみても,その人の責任とは
言えない出来事にまで及ぶ(ところの)先行する原因の結果であるという事実
に直面することを拒否する(であろう)。

The free-will question consequently remains just where it was. 
Whatever may be thought about it as a matter of ultimate metaphysics,
 it is quite clear that nobody believes it in practice. Everyone has 
always believed that it is possible to train character; everyone has 
always known that alcohol or opium will have a certain effect on 
behaviour. The apostle of free will maintains that a man can by will
 power avoid getting drunk, but he does not maintain that when drunk 
a man can say "British Constitution" as clearly as if he were sober. 
And everybody who has ever had to do with children knows that a 
suitable diet does more to make them virtuous than the most eloquent 
preaching in the world. The one effect that the free-will doctrine has
 in practice is to prevent people from following out such common-sense
 knowledge to its rational conclusion. When a man acts in ways that 
annoy us we wish to think him wicked, and we refuse to face the fact
 that his annoying behaviour is a result of antecedent causes which, 
if you follow them long enough, will take you beyond the moment of 
his birth and therefore to events for which he cannot be held 
responsible by any stretch of imagination.
the theologian is concerned.
 出典:Has Religion Made Useful Contributions to Civilization? 1930
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0466HRMUC-130.HTM

 <寸言>
 自由意志についての常識的な見解と,形而上学上の問題。

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
Score!: 98 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。