名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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宗教や教会の有害性は歴史が証明している − 歴史に学ばない人類

2017/07/18

 教会とその開祖との間のこの相違は,決して偶然のことではない。ある特定
の人物が言ったことに絶対的な真理が含まれているということになると(想定
されると),その人物が言ったことを解釈する一団の専門家たちが出現し,そ
れらの専門家たちは必ず権力を獲得する。なぜなら,彼らは真理への鍵を保持
している(とされる)からである。他の特権階級と同様に,彼らはその権力を
自分たちの利益のために使用するのである。けれども,一つの点(面)におい
て,彼らは他の特権階級よりも悪質である。なぜなら(神によって/啓示によっ
て)きっぱりと完璧に明らかにされた不変の真理を説くというのが彼らの仕事
であるので,必然的にあらゆる知的かつ道徳的進歩の敵となるからである。教
会(キリスト教会)は,ガリレオとダーウィンに反対した。そうして、我々の時代
においては,フロイドに反対している。キリスト教会が最も勢力を持っていた
時代においては,さらに進んで知的生活への反対まで行ったのである。グレゴ
リー大教皇はある司教に出した手紙を,次の言葉で始めている。

「頼を赤らめずして口にすることができないような報告が我々のもとに届きま
した。そなたは(汝は)友人たちに文法(学)について詳しく説いたとの報告
です。」

 その司教は,教皇権によって,この悪しき行為をやめるように強いられ,ラ
テン語使用(Latinity)は,ルネッサンスまで復活しなかった。宗教が有害なの
は、知的に有害であるばかりでなく,道徳的にも有害である。これによって,
私が言おうとしているのは,宗教は人間の幸福に資することがない倫理規則
(道徳律)を教える,ということである。数年前,ドイツにおいて,退位後の
王室が,なおも私有財産を持つことが許さるべきか否かについての国民投票が
行なわれたとき,ドイツの諸教会は王室からそれを剥奪することはキリスト教
の教えにそむくと宣言したのである。誰も知っているように,教会は立ち向か
える限りできるだけ長い間奴隷制度の廃止に反対したし,今日,賢明なごく少
数の例外はあるが,教会はあらゆる経済的正義に反対している。教皇(法王)
は公式に社会主義を非難したのである。

There is nothing accidental about this difference between a church and
 its founder. As soon as absolute truth is supposed to be contained in
 the sayings of a certain man, there is a body of experts to interpret
 his sayings, and these experts infallibly acquire power, since they 
hold the key to truth. Like any other privileged caste, they use their
power for their own advantage. They are, however, in one respect worse
than any other privileged caste, since it is their business to expound
 an unchanging truth, revealed once for all in utter perfection, so 
that they become necessarily opponents of all intellectual and moral 
progress. The church opposed Galileo and Darwin; in our own day it 
opposes Freud. In the days of its greatest power it went further in 
its opposition to the intellectual life. Pope Gregory the Great wrote
 to a certain bishop a letter beginning:
"A report has reached us which we cannot mention without a blush, that
 thou expoundest grammar to certain friends."
The bishop was compelled by pontifical authority to desist from this 
wicked labor, and Latinity did not recover until the Renaissance. It 
is not only intellectually but also morally that religion is 
pernicious. I mean by this that it teaches ethical codes which are not
 conducive to human happiness. When, a few years ago, a plebiscite was
 taken in Germany as to whether the deposed royal houses should still
 be allowed to enjoy their private property, the churches in Germany 
officially stated that it would be contrary to the teaching of 
Christianity to deprive them of it. The churches, as everyone knows, 
opposed the abolition of slavery as long as they dared, and with a few
 well-advertised exceptions they oppose at the present day every 
movement toward economic justice. The Pope has officially condemned
 Socialism.
 出典:Has Religion Made Useful Contributions to Civilization? 1930
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0466HRMUC-020.HTM

 <寸言>
 宗教にはもちろん良い面がある。しかし,歴史をよく学べば有害な面のほう
がずっと多いことに気づくはず。ところが、多くの人は自分の信じている宗教
の有害性(歴史上の事実)については無知あるいは「寛容」であり、他宗教は
邪教であり有害だと思う人が少なくない。

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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