名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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民主主義者であっても「過半数が常に賢明な決定を行う」と信じる必要なし

2017/06/23

 道徳的な観点から純粋に知的な観点へ移ることにして,我々は,政治家が政
治的決断をする際に助けとなるような因果法則を確立する方向(途上)におい
て社会科学は何をなしうるかと,自問自答しなければならない。
 現実的な重要性を持つ若干のこと −たとえば前の戦争(注:第二次大戦)の
後に世界を苦しめたような不況や大規模な失業はどうすれば回避できるか− 
はすでに認識され始めている。また,問題を(真摯に)研究する労をとった人
々の間では,国際的な政府(を創ること)のみが戦争を妨止できるのであり,
もし戦争が起これば,さらなる世界大戦が複数回起こった後には,文明が存続
することはほとんどありそうもない(注:人類は絶滅しなくても,文明は再生
しそうもない,といったニュアンス: more than one more great war :more 
than one 1回より多く=2回以上→複数回,従って1回以上(再び)と訳して
はいけない/ more than one more great war : さらなる大戦が複数回),と
いうことは一般に理解されている。
 しかし,これらは知られてはいるが,その知識は有効な効果を及ぼしていな
い。その知識は巨大な大衆には惨透しておらず,また(J. ベンサムの言う)邪
悪な利益(注:sinister interests 支配する少数者の既得権益)をコントロー
ルするほどの力をもっていない。 実際のところ,政治家たちが進んで適用し
ようとするあるいは適用できる以上に,多量の社会科学が存在している。この
ような欠陥を,民主主義のせいにする人々もいるが,私には,独裁主義国(専
制主義国)における方が他のどの国よりも,その欠陥が顕著であると思われる。
けれども,他のいかなる信念とも同様に,民主主義を支持する信念も,それが
狂信的であり従って有害であるような地点にまで,運ばれていってしまうかも
知れない(しまうことがありうる)のである。過半数が常に賢明な決定をおこ
なう,などと民主主義者は信じる必要はない。彼が信じなければならないのは
,過半数の決定をそれが賢明であると否とにかかわらず,過半数が異なった決
定をする時がくるまで,受け容れなければならない,ということである。

Passing from the moral to the purely intellectual point of view, we 
have to ask ourselves what social science can do in the way of 
establishing such causal laws as should be a help to statesmen in 
making political decisions. Some things of real importance have begun
 to be known, for example how to avoid slumps and largescale 
unemployment such as afflicted the world after the last war. It is 
also now generally known by those who have taken the trouble to look
 into the matter that only an international government can prevent 
war, and that civilization is hardly likely to survive more than one
 more great war, if that. But although these things are known, the 
knowledge is not effective; it has not penetrated to the great masses
 of men, and it is not strong enough to control sinister interests. 
There is, in fact, a great deal more social science than politicians 
are willing or able to apply. Some people attribute this failure to 
democracy, but - it seems to me to be more marked in autocracy than 
anywhere else. Belief in democracy, however, like any other belief, 
may be carried to the point where it becomes fanatical, and therefore
 harmful. A democrat need not believe that the majority will always 
decide wisely; what he must believe is that the decision of the 
majority, whether wise or unwise, must be accepted until such time as
 the majority decides otherwise. 
 出典:Bertrand Russell: Ideas That Have Harmed Mankind,1946.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0861HARM-200.HTM

 <寸言>
 選挙民は自分たちにふさわしい政治家を選ぶということ。政治家の多くが愚
かであるのは、国民の多くが愚かであることの証明となる。

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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