名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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十分な理由がないからこそ「信じる」−自国民の他国民に対する優越(感)

2017/06/15

 ある人種の他の人種に対する優越は,いまだかつて十分な理由から信じられ
たことはほとんどない。そのような信念が執拗に存続しているところでは,そ
の信念は軍事的優越によって活かし続けられているのである。日本人が(軍事
的に)勝利を続けている限りは,日本人は白人に対し軽蔑心を抱いて楽しんだ
のであり,それは日本人が弱かった間に白人が日本人に対して感じていた軽蔑
心の裏返し(対応物)であった。しかし,時々,優越感が軍事力となんの関係
ももたない場合がある。ギリシャ人たちは,野蛮人ら(barbarians 異国の民
・蛮族)が戦闘力において自分たちより勝っていた時でさえ,彼等を軽蔑した
のである。ギリシャ人の間でより啓蒙された人々は,主人がギリシャ人で奴隷
が野蛮人である限りは奴隷制を正当化できるものとみなしたが,そうでなけれ
ば自然に反するものであると考えた。古代のユダヤ人は,彼等自身の人種的優
越性について,まったく特異な信仰をもっていた。キリスト教が国家宗教とな
って以降,異教徒たち(注:Gentiles ユダヤ人から見た「異教徒」。ここでは
キリスト教徒のこと)はユダヤ人に対する自分たちの優越性への同様に非合理
的な信念をもってきた。この種の信念はまさに限りない弊害を生じさせるもの
であり,それを根絶させることは教育の目的の一つでなければならないが,現
在,実際にはそうなっていない。少し前の方で,私は,英国人がインド住民を
扱うさいにとる優越的態度にふれたが,それは当然のこと,インドにおいて憤
激をひき起したものである。しかし,(インドの)カースト制度は北方の「優越
した」諸民族があい次いで侵入してきた結果,発生したものであり,その制度
のいかなるものも,白人の傲慢さと同様に嫌悪すべきものである。

The superiority of one race to another is hardly ever believed in for
 any good reason. Where the belief persists it is kept alive by 
military supremacy. So long as the Japanese were victorious, they 
entertained a contempt for the white man, which was the counterpart of
 the contempt that the white man had felt for them while they were 
weak. Sometimes, however, the feeling of superiority has nothing to do
 with military prowess. The Greeks despised the barbarians, even at 
times when the barbarians surpassed them in warlike strength. The more
enlightened among the Greeks held that slavery was justifiable so long
as the masters were Greek and the slaves barbarian, but that otherwise
 it was contrary to nature. The Jews had, in antiquity, a quite 
peculiar belief in their own racial superiority; ever since 
Christianity became the religion of the State Gentiles have had an 
equally irrational belief in their superiority to Jews. Beliefs of 
this kind do infinite harm, and it should be, but is not, one of the 
aims of education to eradicate them. I spoke a moment ago about the 
attitude of superiority that Englishmen have permitted themselves in 
their dealings with the inhabitants of India, which was naturally 
resented in that country, but the caste system arose as a result of
 successive invasions by 'superior' races from the North, and is every
 bit as objectionable as white arrogance.
 出典:Bertrand Russell: Ideas That Have Harmed Mankind,1946.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/0861HARM-120.HTM

 <寸言>
 人種的及び文化的優越感が軍事的優越と結べ就くと最悪となる。

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
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