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民主主義諸国がみずから真実を知ることを妨げるための法律を進んで作る

発行日:5/20

 私は,年長の少年少女の間では,知的な論争をする習慣を身に付けるように(彼らを)勇気づけたい。また,私が重要な真理だとみなしているものに彼らが疑いをいだいたとしても,それを妨害しようとは思わない。私は,正統を,ましてや異端を,教えることではなく,考えることを教えること(思索する習慣を身につけること)を自分の目的としたい。また,私は,空想された道徳上の利益のために知性を犠牲にするようなことは,断じてしたくない。
 美徳を教えるためには偽り(嘘)を吹き込むことが必要である,と一般に考えられている。政治(の世界)では,自分の支持政党の著名な政治家の悪徳を隠す。神学(の世界)では,自分がカトリックなら(ローマ)法王の罪を隠し,プロテスタントならルターやカルヴァンの罪を隠す。性の問題では,若い人の前で,貞節が実際よりもずっと普通であるようなふりをする。 ... 
 そもそも,こういう態度にはある種の弱さが含まれている。真実がどのようなものであれ,それを知ろうではないか。そうすれば,我々は理性的に行動することができる。権力の所有者は,奴隷たちに自分たちの利益について誤った判断をさせようとするために,彼らに真実を隠そうとする。これは(どうしてそのようなことするのか)よく理解できる。よく理解できないのは,民主主義諸国(democracies)がみずから真実を知ることを妨げるための法律を進んで作ろうとすることである(注:「特定秘密保護法」が良い例)。これは,集団的なドン・キホーテ主義である。即ち,そういう国々は,甲(カブト)が信じたいと思うほど良くないというような話は,聞かないようにしようと決意している(聞く耳を持たない)のである。

I should encourage a habit of intelligent controversy among the older boys and girls, and I should place no obstacles in their way even if they questioned what I regarded as important truths. I should make it my object to teach thinking, not orthodoxy, or even heterodoxy. And I should absolutely never sacrifice intellect to the fancied interest of morals. It is generally held that the teaching of virtue demands the inculcation of falsehood. In politics, we conceal the vices of eminent statesmen of our own party. In theology, we conceal the sins of Popes if we are Catholics, and the sins of Luther and Calvin if we are Protestants. In matters of sex, we pretend before young people that virtue is much commoner than it is. ...  This whole attitude implies a certain feebleness. Let us know the truth, whatever it is ; then we can act rationally. The holders of power wish to conceal the truth from their slaves, in order that they may be misled as to their own interests ; this is intelligible. What is less intelligible is that democracies should voluntarily make laws designed to prevent themselves from knowing the truth. This is collective Quixotism : they are resolved not to be told that the helmet is less good than they wish to believe. Such an attitude of abject funk is unworthy of free men and women. In my school no obstacle to knowledge shall exist, of any sort or kind. I shall seek virtue by the right training of passions and instincts, not by lying and deceit. In the virtue that I desire, the pursuit of knowledge, without fear and without limitation, is an essential element, in the absence of which the rest has little value.
 出典:On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 3: Intellectual education, chap.16:  Last school years.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE16-090.HTM

 <寸言>
 人(敵対政党)の嘘や蓄財は許せないが,自分(我が党)の嘘や蓄財は大目に見る。
 自分たちのことは(特定秘密保護法などで)できるだけ内緒にしておきたいが,敵対者のことは,共謀罪の疑いなどで私的な情報も調査して,追い落としたい。

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