名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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恐怖(心)にかられると人(国民も)は自ら悲惨な結果を招きかねない

2017/05/19

 こういう心の習慣(主観主義的な考え方や生き方)を治すためには,他の多く
の場合と同様,恐怖(心)を捨て,(将来生ずる可能性のある)不幸に対する理
性的な予知をすること(予知力に置き換えること)が必要である。恐怖(心)が
あると,人びとは,現実の(本当の)危険を直視することを嫌がるようになる。
主観主義の病いにかかった人は,真夜中に「火事だ!」という叫び声で目をさ
ましたとしても(注: if = even if),火事は隣の家にちがいない,と結論
付けるかもしれない。真実(事実)はあまりにも恐ろしいからである。こうし
て,彼は,(その時には)まだ逃げる余裕があったのに,その機会を失ってし
まうかもしれない。このようなことは,もちろん,病的な場合にのみ起こるも
のである。しかし,政治(の世界)においては,それに類似した行動は常態化
している。考えることによってのみ正しい方針が発見できるような場合には,
一つの情緒として恐怖(心)(例:北朝鮮や中国が戦争をしかけてくる!」)
を持つことは,あらゆる場合において,悲惨な事態をもたらす。それゆえ,私
たちは,害悪が生じる可能性を恐怖(心)を持たずに予見したり,不可避では
ない物事を避けるために知性を働かせたりできるようになりたい。真に不可避
的な害悪は,真の勇気をもって対処しなければならない。

To cure this habit of mind, it is necessary, as in many other cases, 
to replace fear by rational prevision of misfortune. Fear makes people
 unwilling to face real dangers. A person afflicted with subjectivity,
 if awakened in the middle of the night by the cry of "fire", might 
decide that it must be his neighbour's house, since the truth would be
 too terrifying ; he might thus lose the moment when escape was still
 possible. This, of course, could only occur in a pathological case ;
 but in politics the analogous behaviour is normal. Fear, as an 
emotion, is disastrous in all cases where the right course can only be
 discovered by thinking ; we want, therefore, to be able to foresee 
possibilities of evil without feeling fear, and to use our 
intelligence for the purpose of avoiding what is not inevitable. 
Evils which are really inevitable have to be treated with sheer 
courage; ....
 出典:On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 3: 
Intellectual education, chap.16:  Last school years.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE16-080.HTM

 <寸言>
 恐怖心にかられやすい国民は,独裁的な権力(政府)にとって御しやすい。
また,政権が危なくなると,国民がより関心をもったり、恐怖心にかられたり
しやすい情報を流して,自己保身をしようとすることが少なくない。

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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