名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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親や教師の過度の影響の望ましくない点

2017/04/09

 子供がいつも接触している大人は,たやすく子供の生活の支配者となり,子供が大きくなってからさえも,精神的な奴隷にしてしまいがちである。そうした(精神的)服従は,知的な場合もあれば,情緒的な場合もあるし,その両方である場合もある。知的奴隷(前者)の好い例は,ジョン・スチュアート・ミルであり,結局彼は,父親がまちがっていたのかもしれないということを,どうしても認める気にはなれなかった。幼年期の環境に知的に隷属するのは,ある程度,正常である。親や教師に教わったのとは異なる意見を受け入れることのできる大人は −−彼らを一緒に押し流してしまうほどの(強い)一般的な世間の圧力(風潮)がある場合は話は別であるが−− きわめて少ない。けれども,知的奴隷(隷属状態)は自然でありかつ正常である,と言われるかもしれない。私も,どちらかと言えば,特別な教育によらないかぎり,それは避けることはできない,と言いたい。こういう形の親や教師の過度の影響は,慎重に避けなければならない。なぜなら,急速に変化しつつある世界では,過去の世代の意見を持ち続けることはなはだ危険だからである。
 しかし,当面,私は情緒と意志の隷属(奴隷状態)についてだけ考察することにする。そのほうが現在の問題により直接的に関連しているからである。

An adult with whom a child is in constant contact may easily become so dominant in the child's life as to make the child, even in later life, a mental slave. The slavery may be intellectual, or emotional, or both. A good example of the former is John Stuart Mill, who could never bring himself, in the last resort, to admit that his father might have been mistaken. To some degree intellectual slavery to early environment is normal; very few adults are capable of opinions other than those taught by parents or teachers, except where there is some general drift that carries them along. It may be maintained, however, that intellectual slavery is natural and normal ; I am inclined to admit that it can only be avoided by an education ad hoc. This form of excessive parental and scholastic influence ought to be avoided carefully, since, in a rapidly changing world, it is exceedingly dangerous to retain the opinions of a bygone generation. But for the present I shall consider only slavery of the emotions and the will, since that is more directly bound up with our present topic.
 出典: On Education, especially in early childhood, 1926, Pt. 2:Education of character, chap. 11:  Affection and Sympathy
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/OE11-040.HTM

 <寸言>
 親や教師の影響が過度であることは,親や教師にとって心地よいかも知れないが、影響を受ける子供にとっては良くない面も少なくなく、新しい進歩が必要な社会にとっても好ましくない面が多々ある。

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
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