名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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「職業的な」道徳家ー意識的な自己否定は,人を自己に没入させる

2017/02/22

 幸福な人生は,驚くほど,善い人生と同じである。職業的な道徳家は,これ
まで,自己否定を重視しすぎてきた。そして,それを重視しすぎることによっ
て,強調すべきところを間違えてきた。意識的な自己否定は,人を自己に没入
させ,自分が犠牲にしたものをまざまざと意識させる。その結果,自己否定は
,しばしばその当面の目的を達成しないばかりか,必ずといってよいほど究極
の目的も達成しない。必要なのは,自己否定ではなく −−自分の美徳の追求
に没頭している人なら意識的な自己否定によってのみ実行できるような行為を
自発的かつ自然に可能とするように−− 興味を外へ向けること’である。

The happy life is to an extraordinary extent the same as the good 
life. Professional moralists have made too much of self-denial, and 
in so doing have put the emphasis in the wrong place. Conscious 
self-denial leaves a man self-absorbed and vividly aware of what he 
has sacrificed; in consequence it fails often of its immediate object
 and almost always of its ultimate purpose. What is needed is not 
self-denial, but that kind of direction of interest outward which will
 lead spontaneously and naturally to the same acts that a person 
absorbed in the pursuit of his own virtue could only perform by means
 of conscious self-denial.
 出典: The Conquest of Happiness, 1930, chap. 17: Th Happy Man.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/HA28-030.HTM

 <寸言> 
 宗教も道徳も愛国心もヘイトスピーチも偽善的要素が多く,あえて偽善的言
動をすることによって「対価」が支払われるので、御用評論家や御用学者のよ
うな個人レベルだけでなく、「ビジネス」にもすることができる。

 統治には「偽善」が必要だと開き直る政治家(もちろん公言したら落選する
のでそんなことはしない。)も少なくないが、「偽善」(を暗黙の了解/大人
の了解)によって社会を維持するよりは,最初は大変でも「正直(あるいは誠
実)」を旨としたほうがよいのは、言うまでもない。

 自分を過大評価することはよくないが,「自己否定」はもっとよくない。
「自己否定」は謙虚なようでいて,「自意識過剰」に陥いる危険が大きく,人
を不幸にする。

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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