名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
読者と一緒に育てていきたいと思っています.


全て表示する >

権力者によるフェイク・ニュース(偽のニュース),代替の事実

2017/02/09

 昔学校で教えられたことは,大部分それ自体は無益なものであったが,正確さ
を教えるという長所を持っていた。今日の(現代的な)学校で教えられること
がらは,それ自体知る価値があるものが多いが,通例,生徒が結局は(よく)理
解しない方法で教えられる。その結果,大人たちは正確さを欠いた心的習性を
身につけ,悪意のある動機による事実の歪曲に気付かなくなる。

Most of what was formerly taught was useless in itself but had the 
merit of teaching accuracy.  What is taught in up-to-date schools is 
often worth knowing on its own account but is usually taught in such 
a way that the pupils do not know it at the end. The consequence is 
that adults have slipshod habits of mind and cease to notice 
distortions of fact which have a sinister motive.
The modern youth who intends to adopt a profession tends to be idle at
 school and only to begin hard work when he embarks upon technical 
training. In law school or medical school he exerts himself to acquire
 knowledge because it has for him an obvious economic utility.
[From: The decay of intellectual standards (written in Oct. 19, 1932 
and pub. in Mortals and Others, v.1, 1975.)]
http://russell-j.com/DECAY-IS.HTM

 <寸言> 
 米国では,トランプ政権が誕生して以降,fake news(偽のニュース)や 
alternative facts (代替の事実)という言葉が流行っています。つまり、秘
密保護法や国家権力などの強大な力などによって,本当のこと(事実)でない
ことでも alternative facts (代替の事実)だとして国民に信じさせること
ができる現状を表した言葉です。
 これは,日本も例外ではなく,情報公開の重要性を口では言いながらも、公
開請求で開示されるものはほとんど塗りつぶされた「ノリ弁状態」です。プラ
イバシーの保護や秘密保護の必要からそうしていると言いながら,少しでも知
られると都合が悪い情報は一切公開されません。欧米では、そのような態度を
とれば政権が倒れますが、日本の国民は従順な人が多いらしく,口で少し不満
を言うだけの状態です。
 日本の教育にも問題がありそうです。
 現代人は多くのことを知らねばならず,学校時代に非常に大量の知識を詰め
込まれます。しかし,(受験勉強に象徴される)詰め込み教育のおかげで,消化
不良の知識を多く身につけ,「正確性に欠けた」「博識だが智恵に乏しい」人
間を大量に生み出しています。それによって,「悪意のある動機による事実の
歪曲を看破する能力を喪失」するといったゆゆしき事態が生まれているとラッ
セルは警告しています。

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
Score!: 97 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。