名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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「この紙の裏面に述べられていることは誤りである。また,・・・」

2017/01/14

・・・。本質的にエピメニデスの矛盾と同様の矛盾は,「この紙の裏面に述べ
られていることは誤りである。」と書かれた紙を人に渡すことによって創り出
せる。その人が今度はその紙を裏返せば,紙の裏面には,「この紙の裏面(即ち
さきほどの表面)に書かれていることは正しい」と書いてあるのを発見する。
 大人がそのようなとるに足らないことに時間を費やす価値はないように思わ
れたが,しかしそれなら私は一体何をすればよかったのか。そのような矛盾が
通常の(正規の)諸前提から避けられないのであるなら,何かがまちがってい
たのである。つまらないものであろうとなかろうと,この問題は(私に対する)
1つの挑戦であった。

 A contradiction essentially similar to that of Epimenides can be 
created by giving a person a piece of paper on which is written: 
'The statement on the other side of this paper is false.' The person
 turns the paper over, and finds on the other side: 'The statement on
 the other side of this paper is true'. It seemed unworthy of a grown
 man to spend his time on such trivialities, but what was I to do? 
There was something wrong, since such contradictions were unavoidable
 on ordinary premisses. Trivial or not, the matter was a challenge. 
Principia Mathematica, but without any method of dealing with the 
contradictions.
 出典: The Autobiography of Bertrand Russell, v.1, chap. 6: 
           Principia Mathematica, 1967]
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/AB16-050.HTM

 <寸言>
 「人生は矛盾に満ちたものだ」という言い方があり,そういったことがわか
って人間は大人になることができると'したり顔'で言うことがある。心理的な
矛盾や(論理的でない)ジレンマであればそういった態度もよいであろうが、
論理的矛盾はそういうことで処理できない。論理的矛盾からはいかなるものも
(どんな間違ったものでも)導出することができ、論理学そのものや人間の理
性が否定されてしまう。
 もちろん、人間が飲食し、住まいを確保し、家庭をつくっていくなど、論理
学はなくてもひとつの生物として生きていくことは出きるが、人間の理性に価
値を見出そうとしている人間にとっては(無視できない)解決すべき大きな問
題となる。

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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