名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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『社会再建の原理』(1916年)の出版で多額の収入を得る

2017/01/08

 その本(1916年,ラッセルが44歳の時に出版した『社会再建の原理』)の中
に,私は,人間生活の形成において,意識的な目的よりも衝動の方がより影響力
をもつという信条に基づいた'政治哲学'を提示した。私は,衝動を,所有的衝動
と創造的衝動の,2つのグループに分け,'最善の生活'は大部分創造的衝動の上
に築かれると考えた。私は,所有的衝動が具現化された実例として,国家,戦争,
貧困をあげ,創造的衝動の実例として,教育,結婚,宗教をあげた。創造性の解放
(発揮)'が',改革の原理'であるべきであると,私は確信していた。私は,当初
,この本を(数回の)講演用として献じたが,後になって出版した。驚いたこと
に,たちどころに成功をおさめた。私は,読まれるだろうという期待はまったく
なしで,ただ信条の告白として,本書を執筆した。しかし,この本は,私に大金を
もたらし,その後の私の所得の基礎をおいた。

 In it (= The Principles of Social Reconstruction, 1916) I suggested a
 philosophy of politics based upon the belief that impulse has more 
effect than conscious purpose in moulding men's lives. I divided 
impulses into two groups, the possessive and the creative, considering
 the best life that which is most built on creative impulses. I took,
 as examples of embodiments of the possessive impulses, the State, war
 and poverty; and of the creative impulses, education, marriage and 
religion. Liberation of creativeness, I was convinced, should be the 
principle of reform. I first gave the book as lectures, and then 
published it. To my surprise, it had an immediate success. I had 
written it with no expectation of its being read, merely as a 
profession of faith, but it brought me in a great deal of money, and
 laid the foundation for all my future earnings.
 出典:The Autobiography of Bertrand Russell, v.2 chap. 1:The  First
      War, 1968
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/AB21-090.HTM

 <寸言> 
 ラッセルは The Principles of Social Reconstructio, 1916 (『社会再建
の原理』)の出版前に,9冊の単行本をだしていましたが,The Problems of 
Philosophy, 1912 (『哲学の諸問題(通称『哲学入門』)』)がそこそこ売
れた他は,いわゆるベストセラーものはありませんでした。しかし,『社会再
建の原理』がかなり売れたことにより、一般大衆向けの本(ラッセルが言う 
popular books)の著者としても自信をもつようになりました。
 この本は,第一次世界大戦時に書かれたため、世界的な影響を与え、ラッセ
ルは偉大な哲学者というだけでなく、平和主義者として世界的に知られるよう
になりました。また、ラッセルは大正時代の日本の知識人の多くに強い影響を
与え、ラッセルが大正21年夏に2週間訪日した際には、一大ラッセル・ブーム
が起こり、数紙の全国紙がラッセルの一挙手一投足を連日報道しました。
(なお,ラッセルの日本訪問は、当時の進歩的な雑誌『改造』を出していた改
造社の働きかけによって実現したものですが、その翌年のアインシュタインの
訪日は、山本社長が当時の代表的な偉人は誰か,ラッセルの次に日本に呼ぶと
したら誰がよいか質問したところ、その一人にアインシュタインをあげたこと
を受けたものです。)

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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