名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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戦勝国が敗戦国を裁くことの限界及び政府に対する不服従の是非の判断基準

2015/12/28

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 ・・。このことは,ニュールンベルグ軍事裁判の時のように裁かれる者が敵
側である場合は特にそうである。ニュールンベルグ裁判の刑事被告人も,もし
彼らがドイツ人によって裁かれていたら,有罪の宣告を受けるようなことはな
かったであろうと広く一般に認められた。ドイツ政府の敵側(注:連合国側)
は,ドイツ人の間で政府に対する不服従行為をしなかったことを(ドイツ人に)
有罪の宣告をする理由(弁解)として申し立てたが,もしそのような不服従行
為をする兵士が自分たちの側(味方)にいたとしたらその者を(軍法会議にか
けて)死刑にしてしまったことだろう。彼らが有罪の宣告をした多くのドイツ
人は,そのような犯罪行為はただ上官の命令で行ったに過ぎないと抗弁したが
,彼らはその抗弁を受けつけようとしなかった。ニュールンベルグ裁判の判事
たちは,ドイツ人たちはドイツ政府に対する不服従行為を人間の品位と人道の
名において行うべきであったという信念をもっていた。しかしもし彼らが,自
分の国の者を裁いているのであって,敵国人を裁いているのではなかったとし
たら,そういうふうには考えなかったであろう。しかし私は,味方であろうと
敵であろうと,そのこと(敵には厳しく、味方には優しいこと)は真理である
と信ずる。
私の信ずるところによれば,政府に対する不服従行為でも,それが認められる
べき行為であるか,認められない行為であるかは,いかなる理由で行なわれた
かのその理由によって ,即ち,それが行なわれたその目的の重大さ及びその
行為の必要性に対する信念の深さによって,決まるのである。

This is admitted when it is an enemy who is tried, as in the Nuremberg
 Trials. It was widely admitted that the Nuremberg prisoners would not
 have been condemned if they had been tried by Germans. The enemies of
 the German Government would have punished with death any soldier 
among themselves who had practised the sort of civil disobedience the
 lack of which among Germans they pleaded as an excuse for condemning
 Germans. They refused to accept the plea made by many of those whom 
they condemned that they had committed criminal acts only under command
 of those in superior authority. The judges of Nuremberg believed that
 the Germans should have committed civil disobedience in the name of 
decency and humanity. This is little likely to have been their view if
 they had been judging their own countrymen and not their enemies . 
But I believe it is true of friend as well as foe. The line between 
proper acceptable civil disobedience and inacceptable civil 
disobedience comes, I believe, with the reason for it being committed
 - the seriousness of the object for which it is committed and the 
profundity of the belief in its necessity.
* inacceptable = unacceptable 
http://ejje.weblio.jp/content/inacceptable
 出典: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3 chap. 1: Return to
           England, 1969]
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/AB31-160.HTM

 [寸言]
 戦勝国が敗戦国を裁くことには限界があり、中立国(現在でいえば国際司法
機関)が裁く必要がある。また、他国との戦争ではなく、一国内における、政
府に対する反抗あるいは不服従に対する制裁の問題は、(国家といえども犯す
ことのできない)人間の基本的人権の視点で考える必要がある。

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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