歴史・地理

差別と歴史上の人物

歴史の人物エッセイ集です。上から目線でなく、一般民衆の立場から、自由・平等を中心とする基本的人権の獲得を中心テーマにしました。歴史を見る視点を変えることによって、自由で心豊かに生き、差別意識から解放される人が一人でも増えることを願って書きました。

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第6章 江戸時代前期 1 徳川秀忠

2017/11/11

1 徳川秀忠 (1579 〜 1632)






〜権力を握っても家族からの心労に振り回された2代将軍〜






 父親は徳川家康。

 子は徳川家光。




 親も子もとても目立つので、注目されることが比較的少ない人物です。




 武家諸法度や、禁中並公家諸法度(きんちゅうならびにくげしょはっと)を制定し、父家康の路線を引き継ぎました。




 優れた行政手腕で、江戸幕府の権力を確かなものにした2代目です。




 恵まれた環境と、律儀で堅実な印象が持たれますが、彼は思わぬところで生涯にわたって次々に心労を重ねました。




 この優秀な2代将軍に、いったい何があったのでしょうか。




 1579年、秀忠は家康の三男として、浜松で生まれました。

 母親は側室の一人、お愛の方です。




 まだ信長や秀吉が健在で、家康は三河(愛知県東部)、遠江(静岡県西部)の2か国の大名でした。



 長男の信康は、秀忠が生まれた年に、信長の命令で切腹に追い込まれています。




 信長の娘でもある妻から、武田氏との内通を疑われたためでした。

 次男の秀康は、豊臣秀吉のもとへ人質として出されています。




 後に結城秀康と名のり、福井藩の祖になった人物です。

 秀忠が三男で将軍になったのは、このような事情があったからです。




 もっとも、家康にとっては、父親の言うことをよく聞く三男で、政治がやりやすかったともいわれています。



 母であるお愛の方とは、秀忠がわずか10歳のとき死別してしまいました。




 それでも秀忠は父親を越え、父親に認められようと意気込みますが、合戦で武功はなかなかあげられずに家康から叱責される場面もありました。




 有名なできごとは、関ヶ原の戦いのときです。

 3万8000人もの大軍を率いて、中山道から関ヶ原へ参戦する予定でした。




 ところが、途中の信州上田でわずか2000人の真田昌之の前に大敗し、関ヶ原に到着したときにはすでに合戦が終了していたのです。




 攻めなくともよい上田城を無理に攻めて、何日も足止めをさせられたあげく、落とすことができなかったのです。



 父の家康が怒ったことは言うまでもありません。




 遅参した秀忠は、3日間面会してもらえませんでした。

 大阪冬の陣のときも失敗しました。




 今度こそと意気込んで江戸城を出陣しましたが、急ぎすぎたのです。

 関ヶ原のときとは逆に強行軍になり、秀忠軍の将兵たちは疲労困憊(こんぱい)を重ねました。




 戦場では過労により、とても戦える状態ではなかったといいます。

 これでは父からも部下からも、合戦においては認められませんね。




 妻は江(ごう)といいます。

 信長の姪で、淀殿の妹にあたります。




 プライドが高く嫉妬深いので、秀忠は側室をもつことができませんでした。

 嫡男の家光は秀忠を嫌い、祖父の家康を尊敬していました。




 行いがよくないということで、弟の松平忠輝を改易追放、家光の弟である忠長は蟄居を命じられて、後に切腹に追いこまれました。




 心労だらけですね。




 1611年には、江戸城の女中だった静との間に四男が生まれます。

 しかし、妻の江を恐れて江戸城外での出産となりました。




 後に会津藩主になった保科正之です。

 結局秀忠が正之に会えたのは、江が亡くなった後のことでした。




 恐妻家だったのですね。




 長女の千姫は、わずか7歳で豊臣秀頼に嫁ぎますが、19歳で大坂の陣に遭わせてしまうことになりました。




 次女珠姫は、24歳で病死。

 三女勝姫は、嫁いだ夫が乱心のため、江戸にもどっています。




 四女初姫も若くして病死し、五女和子は後水尾天皇に入内しましたが、天皇が幕府を嫌い板挟みになって苦労しています。




 何だかちっとも楽しくなさそうですね。




 将軍という権力は確かなものになりましたが、家族との関係では悲しいことばかりです。




 肉親に対しては、どこかで思い切った意識改革をすることができなかったのでしょうか。










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創刊日:2014-01-12  
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