歴史・地理

差別と歴史上の人物

歴史の人物エッセイ集です。上から目線でなく、一般民衆の立場から、自由・平等を中心とする基本的人権の獲得を中心テーマにしました。歴史を見る視点を変えることによって、自由で心豊かに生き、差別意識から解放される人が一人でも増えることを願って書きました。

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第2章 平安時代 11 平 清盛

2017/05/20

11 平 清盛 (1118 〜 1181)






〜栄華をきわめて高熱で憤死した武士初の太政大臣〜






 「平清盛なくして武士の世はなかった」

 こう言い切る人がいるほど、歴史の転換点のきっかけを作った人です。




 長い間貴族や皇族から見下され、身分差別を受けていた武士たちが、その差別を乗り越えて政治の実権を握りました。




 当時の中国である宋と交易をして国を豊かにするために、福原(現在の神戸)に大きな港を作るというスケールの大きなこともやりました。




 しかし、彼の最期は激しい高熱の中での憤死です。

 この背景には、いったい何があったのでしょうか。




 そもそも、清盛の両親は誰なのか、現在もはっきりしていません。

 生まれた場所も三重県津市といわれていますが、そのほかにも諸説があります。




 父親は伊勢平氏の棟梁、平忠盛ということになっていますが、実父は白河法皇だという説も当時から根強くありました。




 白河法皇の寵愛を受けた女性が懐妊し、生まれた子が清盛だというのです。




 この女性は祇園女御とよばれる女性の妹で、何らかの理由でまもなく白河法皇によって殺されたともいいます。



 さらに、この祇園女御も謎の人物で、詳細はよくわかっていません。




 清盛は自分の本当の親を知らないまま成長しました。

 最初から波乱の人生ですね。




 祇園女御は清盛のよき理解者で、父の忠盛はそれを承知の上で自分の子として育てました。

 これが事実なら、また白河法皇かと思ってしまいますね。




 彼ならやりかねません。

 崇徳上皇のときも、自分の孫の妻に手を出して子どもを産ませている可能性が濃厚だからです。




 院政の権力とは、女性に手を出すためのものだったのでしょうか。

 それでも、清盛は養父忠盛とともに海賊退治を行い、たくましく成長していきました。




 祇園女御の支援もあったのでしょうか、播磨守、安芸守、中納言とトントン拍子に出世していき、1167年には、ついに武士としては初めての太政大臣に就任しました。




 保元の乱や平治の乱でも勝利し、後白河法皇からも信頼されました。

 高倉天皇に嫁いだ徳子は安徳天皇を産み、清盛は外祖父になったのです。




 清盛の家臣思いは有名です。

 人心を掌握することも適切でした。




 家臣が失敗しても人前で叱責することはなく、別の場所で上手に叱りました。

 家臣の家族が居合わせる前ではいつも家臣を立てたのです。




 場がしらけてもわざと一人だけ大声で笑って、その場の空気を整えることができました。

 部下にとっては本当にありがたい棟梁ですね。




 しかし、事実上天下を取った清盛は、今度は自分が人を見下して、差別をする側に回ってしまったのです。




 「このごろ、平氏の悪口が都に満ちている」


 彼のこの一言に凝縮されていますね。




 この悪口を封じようと、赤いシャツを着せた子どもたちに見張らせて告げ口をさせ、悪口を言った者を処罰するという行動に出ました。




 これは逆効果ですね。

 一言悪口を言ったために処罰される人々が次々に出てしまったのです。




 一般民衆には大迷惑です。

 「全国の源氏よ、平氏を倒せ」




 この以仁王(もちひとおう)の令旨(りょうじ)により、源頼朝が挙兵します。

 平治の乱で清盛が命を助けた頼朝に挙兵されたことは、相当なショックだったでしょう。




 富士川の戦いでは、水鳥の音に驚いて平氏はあえなく敗走。

 身内では嫡男の平重盛や娘の盛子が相次いで死亡しました。




 清盛の心労は深まるばかりです。

 1181年、清盛は激しい高熱に見舞われます。




 水をはじき飛ばし、沸騰するほどだったといいます。




 「わしの葬式はしなくてよい。


 頼朝の首を墓前に捧げろ」




 最期の言葉です。





 結局、清盛の権力は民衆のために行使されたのではなく、自分と平氏一門のためだったのでしょうか。







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創刊日:2014-01-12  
最終発行日:  
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