健康・家庭の医学

健康長寿の知恵袋 〜健康で長生きのための実践栄養学〜

今の日本は平均寿命と健康寿命には約10年位の開きがあり、人生の最後の10年間は介護期間です。
そこで、健康寿命延伸対策に必要な骨粗鬆症、生活習慣病、ガン予防のための食事・栄養療法について今まで大学や一般向けのセミナーで話してきた内容について書いていきます

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【号外】潰瘍性大腸炎の相談事例

2013/03/06

私のもとに病院の薬だけでは症状がなかなか治りにくいガンの方など様々な方が時々相談に来られます。相談者はお医者さんから貰っている薬は症状を抑えるために服用しているので、食事で何とか症状を改善していきたいと相談に来られるのです。
そういった方の相談事例の抜粋を時々、メルマガで配信していこうと思います。

今回は26歳男性の潰瘍性大腸炎の方です。
今回のメルマガは非常に長いので、興味のある方だけ読んでいただければ良いと思います。もしお知り合いに潰瘍性大腸炎の方がいる方は参考になるのではないかと思います。

潰瘍性大腸炎の食事・栄養療法(補完療法)

【病態から】
原因ははっきりとしないが、様々な学説があります。硫化水素が原因という説や、
免疫系の異常という説など、どの学説が正しいとまだ確実に立証されていないので、
これらの学説に一理あると判断し、食事・栄養療法で補完的に治療していく。

【栄養療法指針】
1.炎症作用を抑える。
2.硫化水素の発生を抑える。
3.活性酸素を抑える(ペンタサの作用を補完する)。
4.免疫の機能を高める。

【具体的栄養療法】
1.炎症作用を抑える。
 ・油の種類を変える…世の中の油のほとんどはω-6系の油。ω-6系の油は体内で
  代謝されアラキドン酸になっていく。アラキドン酸はアレルギー促進(アトピー、
  花粉症の悪化)、炎症反応の促進(プロスタグランジンの産生)、血栓促進、
  血液を固める(トロンボキサンの産生)などあるため、潰瘍性大腸炎には良くない油  です。ω-3系の油は、体内で代謝されEPAになり、上記と反対の作用があります。
  ω-3系の油の積極摂取を。
 
2.硫化水素の発生を抑える。
 ・動物性タンパク質を控える…動物性タンパクは体内で分解され、硫化水素発生の原因  の一つです。動物性タンパクの摂取を控えることにより硫化水素の産生を抑え、潰瘍  性大腸炎の悪化を防ぐ。主な動物性タンパクは、バター、生クリーム、肉類、牛乳
  など。でも食べないわけにはいかないので、これらの食べ物を食べるときには、
  キウイやパイナップルなどのタンパク分解酵素の入った食べ物と  一緒に食べる   と、肉類の消化が速やかに行われ、幾分かダメージは抑えることが可能でしょう。

3.活性酸素を抑える。 
 ・できるだけ活性酸素を増やさない…現代人は活性酸素が過剰な環境で生活していま   す。これは避けられません。活性酸素を増やす要因は、ストレス、食べ過ぎ、激しす  ぎる運動、放射線、排気ガス、たばこ、スナック菓子、トランス脂肪など挙げていけ  ばきりがありません。できるだけこういったものは避ける工夫が必要です。
 ・過剰な活性酸素をやっつける…過剰な活性酸素をやっつけるために、抗酸化栄養素の  積極摂取をお願いします。様々な緑葉食野菜、果物などにはβカロチンをはじめ抗酸  化栄養素が豊富に含まれています。最近注目されている鮭などに含まれているアスタ  キサンチンはビタミンEの約500倍の抗酸化作用があると言われ、週に1回は鮭を食べる  ことをお勧めします。『抗酸化栄養素』でインターネットで調べて下さい。本当にた  くさんあります。
 ・SODを活性化する…軽い運動は、体内のSOD(スーパーオキシドジスムターゼ)を活性  化します。また、サプリメントを摂るならば、大分県の国東半島で赤神力という品種  の大麦若葉の麦緑素を熱を加えず、搾汁し、低温乾燥させたSOD活性が高い大麦若葉が  おすすめです。 
  
4.免疫の機能を高める。
 ・自律神経を整える…現代人は交感神経が過剰に働いているケースが多いです(夜更か  し、食事が遅くなる、深夜までの仕事、テレビ、ゲーム、ストレスなど)。免疫力を  上げるには副交感神経を刺激し、リンパ球を増やしてあげることが大切です。(リラ  ックスのしすぎで副交感神経の働きが過剰になるのも別の疾患を引き起こすのです   が・・・)。また食事と呼吸も大切です(食事については次回説明します)。
  人は緊張・興奮すると呼吸が速くなり交感神経が優位になります。そこで大きく深呼  吸すると、気持ちがゆったりとし、とたんに副交感神経優位の状態にもっていけるの  です。一番手軽に免疫力を上げる方法は深呼吸(複式呼吸)なのです。この呼吸法は  ヨガなどにも取り入れられています。ゆっくりと吐くことを意識しながら深呼吸をす  れば副交感神経が刺激されリラックスし、リンパ球が増えて免疫力がアップするので  す。深呼吸以外にも個人個人にあったリラックス方法を見つけることが、副交感神経  を刺激し、リンパ球を増やし、免疫力向上に繋がっていくのです。 
 ・腸内環境の正常化…腸は消化器官としての働きだけではなく、体全体の免疫システム  を正しく機能させるうえでも非常に重要な役割を担っています。そしてその腸内環境  は、腸内に定住している様々な腸内細菌が複雑に絡み合うことで成り立っており、こ  のバランスをいかに最適な状態に保つかということが、免疫力向上や、全身の健康状  態を高める上で大きなウエイトを占めているのです。小腸にはパイエル板という独自  のリンパ節があり、腸管上皮内リンパ球<免疫細胞>が存在している。このリンパ球が  体に有害な物質を撃退し、体内に吸収させないようにしている。 納豆など乳酸菌を多  く含んだ食べ物は良いと思います。注意は、ヨーグルトは確かに乳酸菌を多く含んで  いますが、原料が牛乳なので、動物性脂肪も多く含むので無脂肪のものを選ぶように  してください。牛乳のお話はしましたが、僕は個人的にあまりお勧めしません。これ  も、インターネットで『乳酸菌を多く含む食べ物』で検索するとたくさんあります。
 ・体温を上げる…実は体温が1度上がれば免疫力が5〜6倍になることが最近分かって  きています。体温を上げれば免疫力が上がることは、代表的には3つあります。
  1つ目は、白血球の働きが良くなるからリンパ球の働きもよくなり免疫力が上がる。
  2つ目は、血液の流れが良くなるので、体を構成する細胞に十分な酸素と栄養が供給  されます。もちろん白血球も素早く対応できるようになります。 
  3つ目は、酵素の働きが良くなることです。食べ物の消化・吸収・排出や、細胞の新  陳代謝や細胞がエネルギーを作り出すのも全て酵素という触媒を必要とする化学反応  なのです。酵素が活性化するのが、実は体温が37度台の時なのです。酵素が壊れるの  は48度以上なので、体温が高ければ高いほど酵素の働きは良くなるのです。 
 ・体温の上げ方…体温を上げる最も手っ取り早い方法は基礎代謝を上げることです。な  ぜなら基礎代謝の多くは体温維持に使われているからです。そしてその基礎代謝の中  で、筋肉は最大の熱産生器官で、筋肉はエネルギーを利用する過程で熱を生み出し、  体温維持に働きます。実に体温の40%以上が筋肉から生み出されるのです。つまり筋  肉を鍛えたり、増やせば基礎代謝は自然と上がり、基礎代謝が上がれば、体温も自然  と上がり、免疫力が上がるのです。人間の筋肉の7割はへその下にあります。歩くとい  うことは私たちが思っている以上に効率よく筋肉を鍛えることができるのです。 
  ・免疫力を上げる食事
  ●大豆・大豆加工食品
   皮膚や骨、筋肉など私たちの身体の殆どはタンパク質で作られています。
   そして良質なタンパク質源である大豆や大豆加工食品は、身体を作る原料になる    他、免疫力を強化する働きもあります。豆腐や納豆、きな粉、みそなどの大豆製品   を毎日の食事に取り入れましょう。
  ●きのこ類
   日本人は、昔からきのこ類を食卓に取り入れて来ましたが、きのこ類にはβ−グル   カンという免疫力を高める成分が豊富に含まれています。β−グルカンは、タンパ   ク質と結びつく事で免疫力を高める他、ガン予防にも効果があります。シイタケや   シメジ、マイタケやえのき、なめこなどを積極的に食べるようにしましょう。
  ●海藻類
   海藻類には、フコイダンという成分が豊富に含まれており、免疫力を高める効果が   あります。フコイダンは、免疫力を強化する他、ガン細胞の増殖を抑える働きがあ   る事も知られています。ワカメや昆布、ひじきなどの海藻類を毎日の食事に取り入   れましょう。
  ●またビタミンCが風邪などのウィルスに対して良いというのは、コラーゲンの合成   を促進して粘膜を強くし皮膚や粘膜の強化に欠かせない栄養素で、病原菌やウィル   スの侵入を防ぎ、白血球の働きを強化し、人間がストレスを感じるときにストレス   に対抗する為に作られる抗ストレスホルモンを作り出すのにビタミンCが必要となる   などの理由です。またトマトや発芽玄米などに多く含まれているGAVA(ギャバ)に   も抗ストレス作用があり、免疫力を上げます。

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創刊日:2013-02-15  
最終発行日:  
発行周期:週刊  
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