語学・言語学

文章力が身に付くメモ

文章が簡単に上手くなるちょっとしたTips集

全て表示する >

文章力が身に付くメモ_第16回

2012/10/11

例文:彼女は"○○小町"と称され、柳のような眉にバラの微笑みをたたえ、男たちに人気があった。
改善案:彼女は地元で評判の美人で、形のよい細く長い眉に華やかな微笑みをたたえ、男たちに人気があった。

例文には「○○小町」「柳のような眉」「バラの微笑み」という三つの比喩表現が用いられています。どれも美人を形容するにふさわしい。雰囲気のある表現に思えます。こんな言葉が使えるのも、物知りで表現力があるからです。しかし、実用文では、比喩はとても注意すべき表現なのです。
「小町」が小野小町(平安時代の歌人)に由来し、地域で評判の美人を形容することを誰もが知っているでしょうか。柳の葉を見たことがない人、言い回し自体を知らない人だったら、「柳のような眉」もピンときません。「バラの微笑み」も同様です。

文学表現なら、「適切に用いられるかぎり」、こうした比喩表現も問題ありません。むしろ、読者の想像を刺激する比喩表現は、強いイメージ喚起があり、欠かせない表現手段と言えます。
しかし、文学表現には、独特の「文章作法」があり、「比喩表現を続けない」といった、文学表現ならではのルールもあります。
こうした文学表現については、実用文の基本ルールが終わった後に、別途取り上げていきます。

比喩はいずれも、他のもののイメージ喚起力を借りて、対象事物を言い表そうとします。「リンゴのようなほお」と言えば、私たち日本人は赤い健康的なほおを思い浮かべます。でも、西欧人は違うようです。青リンゴを思い浮かべ、「病気か?」と心配するそうです。
私たちは「南」で「常夏」の気候をイメージしますが、南半球の人たちに通じるでしょうか。
比喩表現が成り立つのは、同じ文化や風土をもつ人たちの間だけなのです。

実用文で物事を描写する際に心がけるべきは、描く対象に正面から向き合い、しっかり観察することです。その観察でつかんだ様子に最もふさわしい具体的表現を探しましょう。
きめ細かい観察ができる人ほど、よく知られた比喩表現では物足りなく感じるはずです。

「〜のような○」という言い方は、手垢のついた比喩表現としてではなく、基本語いの不足を補う方法としても用いられています。
たとえば、日本語ではアイスクリームも日本酒も「甘い」と表現します。でも、その味覚はまったく違います。味覚を表す基本語いが「甘い」「辛い」「苦い」「酸っぱい」「しょっぱい」など限られたものしかないため、それ以上の微妙なニュアンスを表現するときに「メロンのようなとろける甘さ」などと補って表現するのです。
こんな使い方であれば、書き手独自の感性を活かした、きめ細かな描写につながります。




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
記事を読んだら、あなたの評価をつけてください。
評価は3段階で簡単にできますので、本メールの一番下からご参加ください!
___________________________________
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2012-09-19  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。