国際情勢

鍛冶俊樹の軍事ジャーナル

航空自衛隊出身の軍事ジャーナリストが内外の軍事情勢を多角的に分析する。メルマ!ガ オブ ザイヤー2011受賞

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軍事ジャーナル【6月13日号】習近平に王手!

2019/06/13

 2日、中国の魏国防相がシンガポールで開かれたアジア安保会議で「台湾を中国から切り離そうとする者があれば、いかなる犠牲もいとわず戦う」と述べた。勇ましい発言に聞こえるが、実の所は降伏宣言に他ならない。
 というのも前日、米国はインド太平洋戦略を発表し、その中で台湾を独立国として記述しているのである。米国は既に台湾に海兵隊を駐留させており、台湾への武器供与も始まろうとしている。

 米国はもはや完全に台湾を中国から切り離しており、中国はとっくに米国に宣戦布告をしていなければならない筈なのだが、魏国防相は「中国は戦争を起こさない」「米国が戦いたいのなら戦う」と述べるに留めている。
 また「米国が対話したいのならドアは開いている」とも述べている。つまり米国に宣戦布告していなければいけない状況なのに、それをせず対話を呼び掛けている。いわば講和を申し入れている訳で、これを降伏宣言と呼ばずして何と呼べばいいのか。

 5日に習近平主席はモスクワでプーチンと会談し、中露の蜜月ぶりをアピールした。米国を牽制する狙いだった。プーチンも米国を非難して見せたが、リップサービスに過ぎず、米中の覇権争いを高みの見物という姿勢が垣間見えた。
 プーチンの冷ややかな態度を見て、第2次世界大戦のとき、当初、日本との友好関係を利用しながら最後には日本を裏切って攻め込んできたソ連のスターリンを想起したのは私だけであろうか。

 中国の一帯一路政策を支えているAIIB(アジアインフラ投資銀行)の2016、2017年の融資額は日米主導のアジア開発銀行の9分の1に過ぎず、もはや一帯一路の破綻は時間の問題だ。
 安全保障面でも日米に加えて欧豪印比が中国の拡大主義に批判的になり、24日には米国のペンス副大統領が更なる批判の矢を放つという。そして28日に大阪でG20サミットが開かれる。習近平はまさに四面楚歌の中、訪日することになろう。

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創刊日:2011-06-24  
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  • 名無しさん2019/06/13

    *習近平に王手!

     2日、中国の魏国防相がシンガポールで開かれたアジア安保会議で「台湾を中国から切り離そうとする者があれば、いかなる犠牲もいとわず戦う」と述べた。勇ましい発言に聞こえるが、実の所は降伏宣言に他ならない。

     というのも前日、米国はインド太平洋戦略を発表し、その中で台湾を独立国として記述しているのである。米国は既に台湾に海兵隊を駐留させており、台湾への武器供与も始まろうとしている。←鍛冶先生、情報ありがとうございます。