国際情勢

鍛冶俊樹の軍事ジャーナル

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軍事ジャーナル【3月8日号】トランプは家康か?

2018/03/08

 チャンネル桜で、朝鮮半島問題について話した。
https://www.youtube.com/watch?v=SrJZSbEHCnY

 金正恩の微笑み外交が功を奏したのか、日本の一部には、このままでは日本が孤立するなどという観測がある。つまり南北融和というバスに米国も中国も乗り、日本だけが置き去りにされそうだからバスに乗り遅れるなという論調である。
 だが真相は対北制裁というバスに日米欧のみならず中国までが乗り、北朝鮮が韓国に乗らないように働き掛けているだけだ。事実関係がまったく逆転して見えるのがフェイクニュースの恐ろしさである。日本のメディアに北朝鮮の工作員が入り込んでいるのは、紛れもない事実である。

 ホワイトハウスでは、昨年8月、バノンが首席戦略官を解任された。保守系のジャーナリストであり、政権発足時にはトランプの安全保障観に最も強い影響を及ぼしていた。海軍士官の経験があり軍務には精通していたが国防総省の主流派とはもともと相容れなかった。
 バノンはかねてから北朝鮮に対する武力行使に否定的であり、中国を使って北朝鮮をコントロールすべきと主張していた。果たしてトランプは習近平に北朝鮮のコントロールを依頼したが、北朝鮮は毎週のように弾道ミサイルを発射し挙句の果てに核実験まで強行した。
 つまりバノンの提言した政策は完全に間違っていた訳で、首席戦略官を罷免されたのも蓋し当然であった。バノンはその後も「トランプ大統領とは毎週電話で話している」などと影響力を誇示して日本のマスコミにも登場していたが、実の所、安全保障政策の主導権は国防総省の主流派に取って代わられていたのである。

 そしてバノンの影響力が完全に消えた昨年12月、トランプ政権は国家安全保障戦略を公表し、北朝鮮をイランと並んでならず者国家と呼び、制裁対象として戦略上明確に位置付けた。
 1月には国防戦略において北朝鮮が武力攻撃の対象になりうる事が明示され、2月に公表された新核戦略においては先制核攻撃の対象になりうると明示された。国防総省は徳川家康よろしく、まず城を取り囲み、次に外堀を埋め更に内堀を埋めたのである。
 大阪夏の陣になぞらえれば、平昌五輪開会式に来た金正恩の妹などは差し詰め命乞いに差し向けられた千姫と言った役どころか。もとより安易な比喩は禁物だが、家康の戦略に期せずして通じた国防総省の戦略はやはり正しいのであろう。

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創刊日:2011-06-24  
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  • 名無しさん2018/03/08

    日本のメディアに北朝鮮の工作員が入り込んでいるのは、紛れもない事実である。←これが日本国民に周知されつつあるというのは、日本国民の覚醒につながるとおもいます。