国際情勢

鍛冶俊樹の軍事ジャーナル

航空自衛隊出身の軍事ジャーナリストが内外の軍事情勢を多角的に分析する。メルマ!ガ オブ ザイヤー2011受賞

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軍事ジャーナル【11月29日号】北発射の陰にロシア在り

2017/11/29

 北朝鮮が74日間の沈黙を破って弾道ミサイルを発射した。では74日間の沈黙は一体何だったのか?そもそも9月15日に発射して以降60日間沈黙したのは、米国の要求に応えた為だった。
 すなわち米国が北朝鮮と交渉する前提として核・ミサイル実験の60日間の凍結を要求していたのだ。そして61日目の今月15日に中国が北朝鮮に特使を派遣すると発表し17日に特使が訪朝した。
 米国の交渉条件が伝達されたが、北朝鮮はこれを拒否し特使が帰国した20日に米国は北朝鮮をテロ支援国に再指定した。北朝鮮が求めてきた米国との直接交渉の可能性は潰えた訳である。

 かくなる上は米国に届くICBMを完成させる他、米国との直接交渉を要求する手段がない以上、実験再開は不可避との趣旨を前号で述べたが、それから8日間、北朝鮮は沈黙を続けた。おそらく中国からの支援が途絶えた為であろう。
 そしてロシアからの議員団が訪朝している最中の今日発射に踏み切った。つまりロシアから支援を得たと言う事である。では何故ロシアはこの時期、北朝鮮の支援に踏み切ったのか?

 北朝鮮に対する次なる制裁措置にはもはや武力制裁を含めるしかないが、いうまでもなく国連安保理において今迄、拒否権を持つ中露がこれに反対してきた。今回、交渉の経緯から中国が棄権したとしても、ロシアはどう出るか?
 おそらくプーチンの思惑は、米国に対して拒否権をちらつかせ、ウクライナ問題での経済制裁の解除を交換条件にする算段であろう。ロシアンゲート事件の帰趨にもよるが、米国はこれを受け入れる可能性がある。
 つまり金正恩はプーチンに唆されて二階に上げられて、梯子を外される訳だ。金正恩は「ICBMの完成は最終段階」と述べた様だが、どうやら金正恩問題も最終段階を迎えたようである。

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創刊日:2011-06-24  
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発行周期:不定期(原則:週1回)  
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  • 名無しさん2017/11/30

    金正恩は早くこの世から消滅してほしい。

  • 名無しさん2017/11/29

    プーチンの思惑は、米国に対して拒否権をちらつかせ、ウクライナ問題での経済制裁の解除を交換条件にする算段であろう。ロシアンゲート事件の帰趨にもよるが、米国はこれを受け入れる可能性がある。←鍛冶先生、情報ありがとうございます。