国際情勢

鍛冶俊樹の軍事ジャーナル

航空自衛隊出身の軍事ジャーナリストが内外の軍事情勢を多角的に分析する。メルマ!ガ オブ ザイヤー2011受賞

全て表示する >

軍事ジャーナル【10月25日号】共産党の勝利と敗北

2017/10/25

 私の知り合いに熱心な共産党支持者がいたが、今回の選挙では何と自民党に投票したと言う。この政局の変化の目まぐるしさに「もう何を信じていいのか分からなくなった」末の決断だった。
 周知のように自民党と共産党は犬猿の仲だから「何たる変節!」と怒る方もいようが、私はその話を聞いたときに即座に「それは正しい選択だ」と答えた。実は共産党支持者が反共に転向するのは、そんなに珍しい事ではない。

 英国の作家ジョージ・オーウェルは1930年代にスペインの内戦に参加して共産党の実態を目の当たりにして共産党支持者から反共主義へ転向した。日本でも作家の林房雄が戦前、共産党支持から反共主義へと転向している。
 日本共産党の元幹部によれば、戦後、日本共産党に大量の学生が入党したが、その多くがやがて共産党の実態を知って反共主義者となって脱党し、自民党に入党したと言う。田中角栄の名物秘書で名高かった早坂茂三などはその典型だろう。

 いうまでもなく日本共産党は今回、惨敗した。野党共闘路線が裏目に出たのは明らかで、今後、党執行部への不信感はいよいよ増大するだろう。時を同じくして中国では共産党大会が終了し、習近平が盤石の体制を確立した。
 1989年、欧州では冷戦が終了したが、東アジアでは冷戦構造が温存されてきた。日本国内にも中国国内にも左右対立が存在して奇妙なバランスを保っていたから冷戦構造が維持された訳である。
 共産党が日本で敗れ中国で勝利したことにより、日本でも中国でも左右対立が消えることになる。つまり東アジアでの冷戦構造が崩壊する事になろう。その意味するところは平和ではない。冷戦終了即ち熱戦開始である。

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2011-06-24  
最終発行日:  
発行周期:不定期(原則:週1回)  
Score!: 96 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • 名無しさん2017/10/25

    共産党を支持する人は中国の実態をどう見ているのか?

    共産党に対しての意見や批判は力ずくで押さえつけられて、見せかけの自由を与えられているに過ぎない。

    今の香港の状況を見れば共産党の嘘八百が分かりやすいと思う。