国際情勢

鍛冶俊樹の軍事ジャーナル

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軍事ジャーナル【8月2日号】歴史に残る組閣人事

2017/08/02

 日本と米国で殆ど時を同じくして人事が混乱している。だが日本で稲田防衛相が辞め米国でケリー将軍が首席補佐官に就くと言う大筋を見落とさなければ、これは日米の対北朝鮮政策の変更に伴う政権人事の交代だと容易に認識出来よう。
 マチス国防長官は2月に、中東のISを10か月間で壊滅する作戦計画をトランプ大統領に提出した。7月9日にIS第2の都市モスルが陥落し、残りは首都ラッカだけとなった。計画通りなら年内にもラッカが陥落しISは文字通り壊滅するだろう。
 そうなれば現在、中近東に展開している米正規空母を引き上げ、最新型空母フォードを含む正規空母3隻を朝鮮半島に展開できる。韓国の文在寅政権も迎撃ミサイルTHAADの追加配備に合意した。つまり年明けには対北攻撃の準備は整うのである。

 米国務長官のティラーソンは北朝鮮との交渉の意思を示したが、それも今後長くて精々半年間の方針に過ぎまい。外交の要諦は「こん棒片手に猫撫で声で」と言われるが、まさにそれを地で行くような外交戦略である。
 もちろん米国が戦争すると決めた訳ではない。しかし来年にも米国を射程に収めるICBMを北朝鮮が実戦配備するだろうとの予測を前にして、米国の取り得る方策はもはや進むか退くかしかない。
 つまり、北朝鮮を承認して日本と韓国から米軍を撤退させるか、北朝鮮を先制攻撃するかの二者択一である。中国が北朝鮮のミサイル開発を支援しているのは明白であり、中国がそれを停止する意思がない事も、この3か月で明白になっているのである。

 この様に見れば、新内閣が戦後最大の国難に直面することは確実であろう。外相、防衛相が注目のポストであるのは言うまでもないが、実はそれ以上に注目すべきは明後日以後明らかになる各省庁の副大臣、政務官人事である。
 副大臣、政務官は国会での答弁の義務がなく、米国における大統領補佐官や次官と同様、黒子としての活動が期待できる。おそらく防衛省、外務省だけでなくその他の省庁にも実力派が配置されよう。いずれにしてもこの組閣は後世長く語り草となるのは間違いない。

明日3日、15時から首相官邸前で「8.3内閣改造、負けるな安倍政権 緊急国民行動」に私も参加する。
https://www.youtube.com/watch?v=vQTizo9xmHc&t=3s
https://www.youtube.com/watch?v=3_qtsBqEMU4&t=183s

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  • 名無しさん2017/08/03

    毎号鋭い指摘で尊敬します。有難う御座います。