国際情勢

鍛冶俊樹の軍事ジャーナル

航空自衛隊出身の軍事ジャーナリストが内外の軍事情勢を多角的に分析する。メルマ!ガ オブ ザイヤー2011受賞

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軍事ジャーナル【6月11日号】8月に米中危機か?

2017/06/11

 木曜日、北朝鮮が対艦ミサイルを発射したが、射程200km程度の短距離ミサイルである。距離だけで見ると、大した脅威ではないように見えるが、問題は命中精度が向上している点だ。
 以前は、北朝鮮のミサイルと言えば命中精度が悪い事で世界的に有名だった。射程500kmで誤差20kmなんてミサイルは、たとえ核爆弾を搭載したとしても目標とする軍事施設を確実には破壊できない。

 だが最近、立て続けに発射している発射結果を見れば、誤差数十メートルの範囲に狭まってきている。こうした劇的な精度の向上は、中国版GPS装置の装着以外に考えられない。つまり中国が北朝鮮のミサイル開発を支援している事は確実なのである。
 4月上旬の米中首脳会談で、習近平はトランプに、「北朝鮮の核ミサイル開発阻止に100日かかる」と述べた。トランプはこれで契約成立とばかりに「習近平に絶大な信頼を置いている」と記者会見で述べるに至った。

 だが実態を見れば、開発阻止どころか開発を支援している。経済制裁も名ばかりで中朝の貿易額は減るどころか、かえって増えている。中国の背信行為は疑いようもなく、米海軍は南シナ海における航行の自由のための作戦を再開した。
 ビジネスマンであるトランプは100日間という契約期間中は、中国の動向を見守るだろうが、それを過ぎれば、昨年の選挙戦で繰り広げていた対中非難を再開するに決まっている。つまりロシアゲート事件が終息するであろう8月には米中危機が待っていよう。

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創刊日:2011-06-24  
最終発行日:  
発行周期:不定期(原則:週1回)  
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  • 名無しさん2017/06/12

    北朝鮮の核、ミサイル技術はロシアの支援と日本のものが使われていることも指摘していただけるとなお良かったです。

  • 名無しさん2017/06/11

    テレビの刑事ドラマのセリフではありませんが、「敵は見方のふりをする」です。