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鍛冶俊樹の軍事ジャーナル

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軍事ジャーナル【5月27日号】ロシアゲート事件

2017/05/27

 トランプ政権を巡るロシア関与の疑惑は、かつてニクソン大統領を辞任に追いやったウォータゲート事件になぞらえてロシアゲート事件と呼ばれて、米メディアは連日大騒ぎをしている。
 だがこれこそ、捏造された政治疑惑である。昨年、ロシアとの関係修復を公言していたトランプが共和党の大統領候補に確実視された5月頃から、民主党へのサイバー攻撃が激増し、それはロシアからの攻撃だと報道されていた。
 
 つまり、「親露派のトランプが選出されるのはロシアにとって好都合であるから、ロシアは対立する民主党を攻撃している」と米メディアは当たり前の様に報道しており、「トランプ陣営がロシアに攻撃を依頼している」などとは報じていない。
 わざわざトランプが依頼する必要はないのだから、「トランプ陣営が関与している」などと疑うメディアはなかった。当時、米メディアの99%が反トランプであったことを考えれば「ロシアからのサイバー攻撃にトランプ陣営が関与した」という可能性はゼロであったと断言できよう。

 現にトランプは、民主党本部からヒラリー関連のメールが流出して、ヒラリーへの疑惑が取り沙汰された際に、「ロシアよ、もっとやれ」とジョーク混じりに演説している。これがジョークとして成立するには、誰もトランプがやらせたと考えていない事が前提であって、当時、このジョークを取り上げて「トランプがサイバー攻撃に関与した」と報じたメデイアは皆無であった。
 トランプが大統領に選出された後の昨年12月、任期が残り1カ月を切ったオバマ大統領は突然ロシア外交官35人を国外追放した。次期トランプ政権で補佐官に内定していたフリン陸軍中将はロシア大使に報復措置を取らないように求めたが、これがトランプ政権成立後に暴露されて、米マスメディアが「トランプ陣営がロシアと癒着している」と騒ぎ始めたのである。
 現在でも、米マスメディアの多くは反トランプだが、奇妙な事にその姿勢は反露であっても決して反中ではない。例えば4月6日にトランプと習近平による初の米中首脳会談が行われたが、まさにその日に、トランプの娘イバンカのブランドの商標登録が中国で承認された。
 政治活動による利益供与は明白であり、本来ならば一大政治スキャンダルである筈だが、米マスメディアは沈黙している。ロシア絡みだとトランプをたたく癖に中国となると沈黙してしまう米マスメディアの背後に誰がいるかは明白であろう。

 米マスメディアに中国の情報工作が浸透しているのは良く知られた事実である。その中国が何よりも恐れているのは米露接近である。米国と日本、豪州、インドで現在、対中包囲網を形成中だが、これにロシアが加われば、もはや中国は袋のネズミである。
 要するにロシアゲート事件は中国の情報工作の所産なのである。

 昨日の産経新聞6面に拙論「北朝鮮の実力はどれほどなのか」が掲載された。産経のオピニオンサイトiRONNAに先に掲載された「金正恩がひた隠しにする朝鮮人民軍の致命的弱点」
http://ironna.jp/article/6583?p=1
の後半を転載したものだが、紙面に印刷されると、また格別の趣がある。産経をお取りの方は捲っていただきたい。

 5月22日、東京地裁は元航空幕僚長の田母神俊雄に公職選挙法違反で懲役1年10カ月、執行猶予5年の有罪判決を下した。ところが田母神はいまだに罪を認めないばかりか、元選対本部長であった水島総氏に責任を転嫁するが如き言動を繰り返している。
 誠に許しがたいので、チャンネル桜で鉄槌を下した。
https://www.youtube.com/watch?v=FMYEbvOC7zM&t=2131s

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