国際情勢

鍛冶俊樹の軍事ジャーナル

航空自衛隊出身の軍事ジャーナリストが内外の軍事情勢を多角的に分析する。メルマ!ガ オブ ザイヤー2011受賞

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軍事ジャーナル【5月11日号】空母3隻態勢

2017/05/11

 7日、横須賀に停泊していた米空母レーガンが約半年間の定期整備を終え、出港した。既に空母カールビンソンは北朝鮮近海を遊弋しており、これで北朝鮮を攻撃できる空母2隻態勢が完成した。
 だがここにロシアから連絡が入った。北朝鮮が交渉に応ずるという。実は1日、電話会談でトランプはプーチンに北朝鮮に圧力を掛けるように依頼しており、ロシアは北朝鮮との定期航路開設を延期した。
 中国からの制裁が強まりつつある中、もはや北朝鮮にしてみればロシアだけが頼みの綱であって、ロシアの意向は無視できない。かくて8日と9日のノルウェーでの米朝非公式交渉が決まった訳だ。

 ロシアが北朝鮮との仲介で何故一肌脱いだかと言えば、この見返りに米露外相会談を実現させ、米露首脳会談につなげて、ウクライナ問題で米国がロシアに科している経済制裁を解除させようとの思惑からである。
 9日は言うまでもなく韓国大統領選であり、親北派の文在寅が選ばれるであろうことは事前の世論調査で明らかだった。親北派の大統領が対北攻撃を支持する筈はないから9日が攻撃のリミットだったが、8日交渉開始が7日に確定したことにより、米国の対北攻撃は当面不可能となった。

 だが当面と言ってもその期間は今後1〜2か月だろうと推測される。というのも空母2隻態勢による対北攻撃は在韓米軍の参加なしには完全勝利が望めない。在韓米軍は韓国大統領の同意なくしては参戦できないので、文在寅政権下での参戦は不可能なのである。
 ところが米国で新たに建造された空母フォードが海上試験中であり実戦配備が時間の問題になっている。空母3隻態勢であれば、在韓米軍と韓国軍なしでも在日米軍の参加と自衛隊の支援により、完全勝利が可能となる。
 北朝鮮が今回の非公式交渉でどんな提案をしたのかは分からない。しかし交渉の意思を示したのは疑いがなく、今後も交渉は水面下で続くであろうが、この交渉には決裂も引き延ばしも、もはやあり得ないのである。

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創刊日:2011-06-24  
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  • 名無しさん2017/05/12

    我が国は憲法をはじめとして安保関連法案の簡潔明瞭化を急がなければならない。今のままでは自衛隊員に無駄死を強いる事になりませんか。

  • 名無しさん2017/05/11

    米国で新たに建造された空母フォードが海上試験中であり実戦配備が時間の問題になっている。←やはり、外交は右手で握手をしながら、左手でいつでもパンチを出せる状態じゃないと進まないという典型ですね!情報ありがとうございます。