国際情勢

鍛冶俊樹の軍事ジャーナル

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軍事ジャーナル【3月30日号】宮中に革命あり。

2017/03/30

 今から丁度100年前の1917年3月、ロシア皇帝ニコライ二世は退位宣言書に署名した。後継者である筈の弟のミハイル大公は即位を拒否し帝位は断絶、ここに帝政は終焉し、ロシアは革命の嵐となった。
 20世紀が共産主義の暴虐に晒されたのはロシア革命が原因であり、そのロシアに革命が実現したのは、まさにニコライ二世が退位宣言書に署名した為であった。ニコライは国の安寧を願って退位したのだが、それが完全に裏目に出た。
 
 第1次世界大戦にロシアは官民挙げて参戦したが、やがて戦線は膠着し物資は不足し厭戦気分が蔓延し、遂に軍が反乱を起こした。ニコライは事態を鎮静化するために身を引いたのだが、結局、政府は完全に機能を喪失してしまった。
 その結果、治安を保てなくなり、テロにより共産主義者が政権を簒奪したのである。つまりニコライの決断は間違っていた。ニコライのなすべき事は退位ではなく、帝位に留まり政府の機能を回復する事だったのだ。

 非常時における君主の役割は、まさにここにある。民主的に選出された指導者は非常時に極めて脆弱であり、支持層が動揺すれば辞任に追い込まれる。東日本大震災のときに、天皇陛下がビデオメッセージを発せられたことが、日本を救ったのである。
 これを左翼革命勢力から見れば、非常時に君主を退位させるのが革命の常套手段である事になろう。ちなみにトロッキーのロシア革命史は今も彼らのバイブルである。そして大学で左翼思想を身に着けた卒業生が、マスコミ、政治家、官僚に数多くいるのは紛れもない事実だ。

 そもそも天皇陛下が「譲位」とおっしゃったのを「退位」と言い換えている事自体、革命思想の影響が明らかであろう。昨年7月、宮内庁が内閣の意向を無視して「生前退位」が陛下の御意向とNHKにリークして事が始まった。
 年初には「平成31年元日に皇太子が即位する」とのリークがまたも宮内庁からなされ、内閣がこれを否定し、今週月曜日には「退位後、天皇陛下と皇太子殿下のお住まいを交換なさる」と宮内庁がリークし、内閣がまたも否定した。
 ニコライ二世は退位宣言書に署名した時の様子を日記に記して、こう締めくくっている。「予の周囲にあるものは裏切り、怯懦、欺瞞」

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創刊日:2011-06-24  
最終発行日:  
発行周期:不定期(原則:週1回)  
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  • 名無しさん2017/03/30

    鍛治先生情報ありがとうございます!民進党の野田と宮内庁の一部の売国奴が魑魅魍魎として日本の国体を破壊しようとしていますね!つくづく、ネットで真実が日本国民に伝わるいい時代になったとおもいます。

  • 名無しさん2017/03/30

    天皇陛下退位と譲位では意味が異なる。何故宮内庁は退位としたのか?宮内庁官僚も革命思想にかぶれ居るのかな??