国際情勢

鍛冶俊樹の軍事ジャーナル

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軍事ジャーナル【1月19日号】CIAの敗北

2017/01/19

 5日、米国家情報長官クラッパーが議会公聴会で米大統領選に関連したサイバー攻撃がロシアによるものだと証言した。翌日には「プーチン露大統領の指示によって攻撃が行われた」とする報告書を公表した。
 米国のメディアは今更の様に大騒ぎをしているが、ロシアが米大統領選に絡んでサイバー攻撃を仕掛けていることなど、昨年7月段階で報道されていた。情報の出所は言わずと知れたCIAである。
 ただし、この時点では、「プーチンの指示」とは報ぜられていない。「プーチンの指示」を明確に指摘したのは、オバマ大統領で昨年12月のことである。しかしサイバー情報を分析して追跡調査すれば、どこの国の情報機関が攻撃を仕掛けているかは分かるであろうが、誰が命令したのか、までは分かる筈がない。オバマは如何にしてそれを知ったのか?

 この情報を掴んだのは英国の通信傍受機関GCHQであり、プーチンとサイバー部隊とのやり取りを傍受していたからに他ならない。英国が同盟国である米国にこの情報を通知した迄は良かった。
 ところが、それを聞いたオバマは事もあろうにプーチンに直接抗議してしまった。昨年9月のサミットの際である。誰とでも話し合えば分かり合えるとの信念をお持ちの様で、中国とも南シナ海問題で話し合って見事に失敗しているのに、また話し合いである。
 だがそんな事をすれば、プーチンは通信傍受されているのに気付き、通信方法を改めるに決まっている。果たしてロシアは通信コードを変え、米英は有力な情報源を失った。「アホな指揮官、敵より怖い」とはオバマの為の諺であろう。

 そもそも今時、サイバー攻撃は日常茶飯であり、2年前には北朝鮮が米ソニーピクチャーズを攻撃し、昨年4月には米連邦政府職員400万人分の情報が中国の攻撃により流出した。米国も独仏首脳の情報を詐取して問題になったのである。オバマも何食わぬ顔をしてロシアの情報の詐取を命ずれば良かったのである。
 トランプ政権が中近東問題、そして中国問題でロシアの協力を求めることは必定であり、ロシアとの情報戦に敗れたCIAの対露諜報部門の縮小はまた当然の成り行きである。つまりクラッパーの今回の発表はリストラ対策に他なるまい。

田母神裁判はいよいよ最終段階を迎えた。田母神自身が証言し3月には判決の運びである。
https://www.youtube.com/watch?v=EI9sAZem-9g

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創刊日:2011-06-24  
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  • 名無しさん2017/01/19

    クラッパーの今回の発表はリストラ対策に他なるまい。←失業後の就活行動ということですね。情報ありがとうございます。