国際情勢

鍛冶俊樹の軍事ジャーナル

航空自衛隊出身の軍事ジャーナリストが内外の軍事情勢を多角的に分析する。メルマ!ガ オブ ザイヤー2011受賞

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軍事ジャーナル【1月12日号】中露同盟の断絶

2017/01/12

 中国の戦闘機の致命的欠陥はエンジンにある。自動車もエンジンが大切だが、飛行機の場合エンジンに欠陥があれば、墜落即ち死につながる。まさにエンジンが命なのだ。中国製のエンジンでは安心して訓練できないから、ロシア製のエンジンが命綱だと言っていい。
 昨年、ロシアは中国に戦闘機用のエンジンを40基輸出した。1000億円程度か。昨年末から空母遼寧が航海訓練を行い艦載機J15が発着訓練できるようになったのは、この為である。ではJ15は40機、飛行可能な状態になったのか?
 公開された映像などを見ると、精々6機程度であり10機にも満たない。ならば残り30基のエンジンはどこに行ったのかと言えば、輸出用の戦闘機J31に装着され、パキスタンなどに売却される予定である。1機80億円として、総額2400億円程度のビジネスになろう。

 折角ロシアから輸入した虎の子のエンジンを輸出用の戦闘機に装着して外国に売り、その利ザヤで自国の戦闘機のエンジンを漸く賄っている。中国人民解放軍は完全に金欠病に陥っているのであろう。
 ちなみにパキスタンは米国の同盟国であり、中国から輸入された戦闘機のうち何機かは、極めて高額で米国に秘密裏に引き渡され、米軍はそれにベテランパイロットを搭乗させ敵のダミーとして、若手パイロットの育成訓練に励むことになろう。

 ロシア製のエンジンは寿命が短く精々500時間である。一人前のパイロットになるには1000時間の飛行訓練が必要とされる。もしロシアが中国にこれ以後、エンジンの供給をしなければ、中国の戦闘パイロットは決して一人前になれない。
 さてロシアは今後、中国にエンジンを供給するだろうか?トランプ次期政権の対露姿勢をみるとき、答えは明白にノーである。プーチンは中国への武器輸出を控え米国の制裁解除を狙うに違いない。
 中国共産党から多額の資金と人材が投入されている米国のマスメディアがトランプの対露宥和策を執拗なまでに問題にするのは単なる偶然ではないのである。

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創刊日:2011-06-24  
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  • 名無しさん2017/01/13

    簡潔にして的確な御説に敬服しました。

    益々のご活躍、お祈りします。(憂国愚老人)

  • 名無しさん2017/01/12

    残り30基のエンジンはどこに行ったのかと言えば、輸出用の戦闘機J31に装着され、パキスタンなどに売却される予定である。



     ちなみにパキスタンは米国の同盟国であり、中国から輸入された戦闘機のうち何機かは、極めて高額で米国に秘密裏に引き渡され、米軍はそれにベテランパイロットを搭乗させ敵のダミーとして、若手パイロットの育成訓練に励むことになろう。←鍛治先生、すごいすごい情報感謝です。ロシアはエンジンで設け、シナは、30機分のエンジンをパキスタンに輸出して金欠をまかない、んで、パキスタンからシナ製の戦闘機を入手し、米軍パイロットの訓練につかう、米国!いや、世界は魑魅魍魎ですね。情報感謝です。