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ベトナムとASEANと

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【tnaru@vietnam オフィシャルマガジン】

2011/05/10

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[1] ピックアップ―最近の出来事
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●ベンチャー資本投資先、シンガポールは4位
http://www.asiax.biz/news/2011/05/04-101418.php

―――コメント――――
スペイン系ビジネススクールの魅力的海外投資先国のランキング。ベトナムも
入っているみたいです。
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●保険/再保険投資家はアジアに目を向けている、とU.S. RE Securitiesのエグ
ゼクティブがフィリピンの会議で語る
http://www.japancorp.net/japan/Article.Asp?Art_ID=55197

―――コメント――――
アジアでの保険市場も注目とか。ベトナムでは金融ライセンスがとりにくく、
外資の参入が非常に厳しくなってきたとか。既に進出済み日系企業で、熱い戦
いが繰り広げられそう。
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●アジアン・クラウド”の獲得はお早めに すでに動き出している欧米やアジ
アのベンダー
http://biz.bcnranking.jp/article/explanation/1105/110505_126293.htm
l)

―――コメント――――
アジア、ベトナムでもクラウドコンピューティングの流れが加速しているとの
こと。年間成長率40%という見積は凄すぎる。このITってのは単価が低いの
で、中・低所得者層へのリーチがしやすいのかもしれない。
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●ベトナム企業の外国への投資総額は18億ドル近く=2011年年初4ヵ月
http://www.moneyvietnam.com/index.php?option=com_news&op1=hot&sid=287
17)

―――コメント――――
ベトナム系企業の海外投資情報。4月の案件数は9件。2011年の4カ月で18億ドル。
カンボジアの水力発電に8億ドル(EVN)、ゴム栽培に3,000万ドルなど。
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●野田財務大臣がズン首相・サン党常務と会談、両国の協力関係確認
http://www.hotnam.com/news/110506073452.html

―――コメント――――
原子力発電所の建設やレアアース開発は計画通りに進めることになったようで
す。菅首相をはじめ、現政権の閣僚級がこぞってベトナム入りし、推し進めた
大型インフラ案件は続行との判断。
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●財政省、ガソリン価格値上げの噂を否定
http://www.viet-jo.com/news/economy/110428060301.html

―――コメント――――
今話題のガソリン代の価格上昇。これを理由に便乗値上げも各所でおこってお
り、「本当か?」と思うことも度々。「ガソリン価格が値上がりしたから」と
いう言葉は何にでも使える。今は何でも売り手が強い時代。
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●教育訓練省、教科書価格を約17%値上げ
http://www.viet-jo.com/news/social/110506023416.html

―――コメント――――
ついに教科書も値上げ。小学2年生が4万5300ドンということは、市内のベトナ
ム人向け食堂でご飯1回分。でも、上下2巻なので、昼飯2回分。高校3年生用が1
4万3200ドンというこで、日本食レストランで定食1回分。大変だ。こりゃ。
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●4月のCPIは前年同月比17.51%上昇
http://www.viet-jo.com/news/statistics/110504043042.html

―――コメント――――
インフレ動向や賃金上昇率を把握するための重要参照値のCPI。4月は先月比
で3.32%。前年同月比で17.5%。政府目標は7%以下、せめて1ケタ。予測では
6月までは上昇をつづけ、年後半は落ち着かせるとのことですが、どうなるか…。
なお、財務省の4月予測は1.6%から1.8%。予想より倍の上昇。また、先月3月
は前年同月比13.89%で、対前月2月比で2.17%が結果。
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[2] 特集:「現地化にあたっての問題点」ー在アジア・オセアニア日系企業活
動実態調査」
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ベトナム進出日系企業の様子を「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調
査」を元に眺める、第13段「現地化にあたっての問題点」です。

当該シリーズの目次が以下のとおり。

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【シリーズ目次】
1.調査の概要と結果
2.営業利益見通し
3.今後の事業展開
4.現地市場開拓への取り組み
5.経営上の問題点
・5−1:ベトナムの課題(全体)
・5―2:販売営業面での問題点
・5−3:財務・金融・為替面での問題点
・5−4:雇用・労働面での問題
・5−5:貿易制度面での問題点
・5−6:生産面での問題点
・5−7:経営の現地化をするにあたっての問題点
6.原材料・部品の調達
7.輸出入の状況
8.賃金
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1.全体では「現地人材の能力・意識の低さ」、「幹部候補人材の採用難」と
「現地人材の育成が進まない」の3つがTOP3

同調査では、「現地人材の能力・意識の低さ」、「幹部候補人材の採用難」と
「現地人材の育成が進まない」の3つを指摘する企業が多いようです。

(回答)
1位:「現地人材の能力・意識の低さ」58.7%
2位:「幹部候補人材の採用難」50.0%
3位:「現地人材の育成が進まない」47.1%

2.「現地人材の能力・意識の低さ」は本当か?
「現地人材の能力・意識の低さ」は58.7%の企業が現地化を進める上での問題点
として指摘しています。全体回答の中でもトップとなります。

ところで、この「現地人材の能力・意識の低さ」はベトナムだけではないよう
です。オーストラリアとニュージーランドを除く調査対象国・地域の全てでTOP
3に上がる問題点として、指摘されています。ただ、実際の「現地人材の能
力・意識の低さ」は各国により求めるレベルによる程度の差や、その中身は異
なるかと思います。従い、ベトナムにも同じ問題があるという単純な理解はで
きとしないところです。

参考までに、「現地人材の能力・意識の低さ」が指摘されている国々とその順
位です。

(「現地人材の能力・意識の低さ」の各国・地域順位)
中国3位 韓国1位 シンガポール3位 タイ2位 マレーシア3位 インドネシア
3位 フィリピン1位 ミャンマー1位 インド2位 台湾3位 スリランカ1位


「現地人材の『能力』」という点では、進出先に同技術がないために思ったよ
りも技術移転に時間がかかるといった理由が予想できます。ベトナムへの投資
進出セミナーでは、「優秀な人材」が一つの誘致に向けた売り文句であり、随
分と勝手な言いがかりだなとも思います。

実際の能力に対する評価の程はわかりません。業種などによっては、ベトナム
人の製造技術能力は他国と比較し、上回る生産効率を出しているなどというレ
ポートも時々見かけます。一方で、中国から生産を移転したが、上手くいかな
いので中国に戻したなどという話も聞きます。まさに求める技術要素等で異な
るのかもしれません。

一方で「現地人材の『意識の低さ』」は少々、いや、かなり問題です。ベトナ
ムだけであったり、進出が間もない国だけで指摘されているなら分かりますが、
調査対象国・地域のほぼ全てで指摘されている問題です。

こと、ベトナムに限った場合でも、「意識の低さ」はベトナム人だけに問題が
あるのでしょうか?日系企業の進出先ほぼ全ての国・地域で問題になっている
のに?

一旦、日本国内に目を向けると、「部下がやる気になってくれなくて」なんて
いうセリフはよく聞くセリフです。また、「部下をやる気にさせる方法」なん
て類のタイトルの本も書店に溢れています。部下の意識の問題もありますが、
上司の管理能力にも多分に影響される問題でもあります。

また、最近では現地化に向けた人事制度面での不備も指摘されています。現地
人はなかなか権限を与えられなかったり、現地人と日本人の給与が数十倍違っ
ていた入り…。この人事制度面の不備は完全に日系企業側に非があるかと思い
ます。


3.「幹部候補人材の採用難」
調査対象企業の50%が幹部候補人材の採用難を上げ、現地化を進める上での2位
の問題点となっています。

この問題は幹部候補人材が「いない」という部分もありますが、「来てれな
い」そして仮に来てくれても「逃げられる」という3つの問題が含まれているよ
うに思われます。

「いない」理由はベトナムにはいくつかあります。まず、これまで会社組織と
いうものがなかった。ベトナムは1980年代までベトナム戦争やインドシナ戦争
など、戦争を繰り返していました。また、ドイモイが始まった1986年まで、完
全に計画経済にドップリ使っていました。戦争と社会主義体制下では民間会社
組織など存在の必要性すら議論されないシロモノです。

次に、上記の事情から、1980年以降に生まれたものが、比較的柔軟に資本主義
や会社組織をある程度柔軟に受け入れられる世代になります。現在はまだ30歳
から25歳程度の人材です。1990年代初頭に個人の考え方が確立され始める大学
生だった世代をいれても、35歳までが上限になります。

また、日系企業では言葉の問題も見過ごせません。英語ができる人材はある程
度いますが、日本語ができる人材となると非常に限られてきます。ベトナムで
は2000年が「日本語学習元年」と言われており、やっと日本語学習熱が出始め
た程度です。

上記事情から、ベトナムに幹部候補人材の絶対数が「いない」、もしくは「限
られてくる」ことが分かるかと思います。

また、幹部候補人材が日系企業に「来てくれない」部分もあります。これは、
進出する日系企業の7割が製造業ということから、都市の郊外に立地する場合が
多く、遠いので行かないという側面が一つです。また半ば企業側のおごりのよ
うなものとがもう一つの側面です。「こっちは日系企業だぞ」とか、「こっち
は有名企業だぞ」といったものです。

企業の立地と通勤の関係性は「市内30分」であり、「郊外1時間」と言われてい
ます。この原則からはみ出すと、幹部候補人材は来てくれません。幹部候補人
材の絶対数が不足する「超売り手市場」です。優秀な人材ほど引く手あまたな
環境があります。

また、ベトナム人にとって、日系企業は欧米系に次ぐ人気の就職先です。ただ、
日系企業に関する情報は殆どありません。仮に日本人が欧米系企業へ就職しよ
うとする時に、どれだけの情報をゆうすることができるかを考えると、理解し
やすいかもしれません。

日本人がアメリカの企業に就職しようと思っても、実際には何百万以上の企業
が存在するのに、知っている会社など数社に留まるのと同じ現象です。

ベトナム人の情報入手手段は企業のホームページ、友人などからの口コミと人
材紹介会社等から得られる情報のみです。特に日本で東証1部上場とか、名高い
名門企業といっても、ベトナム人には「初めて聞く会社」になります。必然、
面接に行った際に見る会社の規模と会社の雰囲気が絶対的な一時情報となり、
日本では名門企業でもベトナム国内事務所が小さいと、「零細企業」と受け取
られがちです。

幹部候補人材ともなれば、業務内容が非常に重要となってきます。ただ、どう
しても採用する日系企業側は日本の「買い手市場」の意識が抜けきらないのと、
相手が30代程度の若造であること、そして時々「こっちは名門企業」というお
ごりから、面接は「選ぶ」という意識が強く働きます。結果、幹部候補人材に
「選ばれない」という結論を突き付けられるということになります。

また、仮に幹部候補人材を見つけても「逃げられてしまう」ことが頻繁に起こ
ります。

一つは根強い「欧米系企業への憧れ」と、もう一つは「昇進・昇給するなら転
職」というベトナム人の考え方と、独立というベトナム人の多くが持つ「夢」
です。

「欧米企業への憧れ」では、欧米企業の方が権限が与えられたり、給与が良か
ったり、さらには紳士的に接してくれる部分が半ば本当であり、半ばイメージ
としてベトナム人の間に根付いています。欧米系といっても零細系企業もあっ
たりするのですが、「欧米系=憧れ」の心理的要素は非常に大きなものとなり
ます。

また、「昇進・昇給するなら転職」という考え方が基本にあります。実際、日
系大手企業の幹部候補人材が欧米系大手企業の幹部として迎え入れられること
があります。理由は昇給もさることながら、権限が大きいということがもうひ
とつの大きな理由のようです。

最後に、「優秀な人間は独立して一国一城の主」といった考え方が今のベトナ
ムの主流です。これだけ勢いよく経済発展している中、組織に属して安定を手
に入れるより、自分の力を試したいという気持ちは非常によくわかる所です。

4.現地人材の育成が進まない。
現地化の課題として、3位に47.1%の回答率で、「現地人材の育成が進まない」
ことが指摘されています。

これは、「育成が進まない」のではなく「育成している間にいなくなる」が適
切なのではと思います。

現地従業員の育成のために、多くの日系進出企業がお金とエネルギーをかけて
います。

社内研修コースを実施したり、日本へ研修に送り出したり…。ただ、研修が終
わった途端に転職されたりしているようです。

上述した、「幹部候補人材の採用難」の採用しても逃げられるの部分でも述べ
たのですが、この「逃げられる」という現象が日系企業にとって扱いずらい問
題のようです。日系企業は当然「終身雇用」の企業文化を持っており、育成に
も「終身雇用」の意識がどうしても抜けきれない部分があります。必然「育成
している間にいなくなる」という問題との格闘になります。

参考までに、欧米系企業でも研修を実施しています。恐らく、日系企業よりも
予算を積んでいます。そして、当然日系企業と同じく、研修実施後に転職をさ
れているようです。しかし懲りずに研修予算を積み、研修を実施していきます。

この意識はどこから来るのでしょう???推測ですが、「研修が充実してい
る」ということが、人材採用時に非常に有利に働きます。また、その人材が転
職後も昔の企業を良く話すことに繋がるので、優秀な人間が入れ替わり立ち替
わり集まるという現象に繋がるのではと思います。あくまでも、推測ですが。

5.まとめ
ベトナムへ進出する日系企業から、現地化への課題は「現地人材の能力・意識
の低さ」、「幹部候補人材の採用難」と「現地人材の育成が進まない」の3点が
TOP3として指摘されています。全て人材に関する問題点です。

ベトナム人側に意識の返還を求める一方で、日系企業側が考え方を現地化へシ
フトすべき点もいくつかあるのかと思います。人事・給与評価制度の再構築や、
管理職としての日本人の能力アップ、そして売り手市場下での採用方法の検討
など。

しかし、究極のポイントは「終身雇用」を前提とする日系会社文化や行動様式
を、如何に「転職」が日常化するベトナムへ応用していくかという工夫かと思
われます。

具体策はどの企業もまだ見出せていないようです。個人的には日本人との「権
限・給与格差」と「研修」がキーワードになるのかと思います。

(参考:http://tnaru21.blog23.fc2.com/blog-entry-109.html
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[3] おわりに
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 ベトナムの連休が明けました。

 連休が明けると同時に、一気に夏へ突入です。これまでは20度半ばの気温で
したが、一気に30度近くまで気温が上がってきました。ここに、高い湿気が加
わります。洗濯物が乾かない。そんな夏の日々です。

 夏場はクーラーなどで電気需要が高まるのはベトナムでも一緒です。そして、
電力需要を満たすのに必要な電力がない。だったら、停電ね!ということで、
毎年夏は計画停電が頻発します。
 
 ところが、今年は少ない。日系製造業が稼働率を下げていることがその要因
のようです。

 ところで、書評を中心とした新しいブログも展開中です。お時間がある時に、
覗いてみてください。

ブログ名:What's Up! Master Bate
アドレス:http://tnaru.main.jp/tnaru/

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 ベトナムに関する日本語の情報は非常に限られていると思います。このメル
マガでは、不足している情報を少しでも補足したり、整理できればと思います。
他にもこんなものをメルマガ内で実施してほしいなどのご要望があれば、是非
お知らせください。

 また、相互紹介の依頼等がありましたら、お気軽にご連絡ください。

 最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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創刊日:2010-08-15  
最終発行日:  
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