HIDEKIWADA[2009/07/10]知的レベルの高い負け組の必要性
発行日:7/10
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■今号のメールマガジン*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
読者の皆様に大変ご迷惑をおかけしております。
今号から月1回で発行させていただきます。
今回は、金持ち、勝ち組、既得権者ばかりが得をする詭弁について、切れ味
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■Web情報*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
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--> http://www.plantatree.gr.jp/salon/wada-01.html
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ベストセラーズ 780円 ISBN:978-4-584-12219-8
『生きる力』の向上を掲げ、新しい『学習指導要領』が実施されます。
果たして、この指導要領で、『競争を知らない』子供たちが、大人になり、
熾烈な『競争社会』で生き抜いていけるのでしょうか。今の学校教育は『子
供がかわいそう主義』により、『ひ弱で、お客様』思想の若者を育てている
だけです。まったく勉強しない、体力も無い、根気も無い子供たち。さらに
、競争回避社会による、弱いもの同士の足の引っ張り合い。まさに『蜘蛛の
糸』のような地獄絵図がこれからの日本の姿になることは間違いないでしょ
う。格差を社会経済の問題のせいにしていても、あなたの生活は何も変わり
ません。ただし、この『競争力』を身につければ、格差に負けない、潰され
ることのない『生きる力』が手に入ることでしょう。
『「学校に頼らない和田式・中高一貫カリキュラム―東大・京大・医学部
を目指す6年一貫校の中学生へ』
新評論 1,575円 ISBN:978-4-7948-0803-5
開成、灘、ラ・サールに負けない実力をつける、具体的な戦術・勉強プ
ラン満載。「学校に頼っていては受からない! 中高一貫校の“死角”を検証
する」「トップ校に負けないカリキュラム “勝ち組”の受験戦術に学ぶ」「
和田式・中高一貫計画の立て方 基本プランの策定とカスタマイズ」「科目別
カリキュラムと勉強法 独学で力をつける和田式メソッド」「中学生のための
要領勉強術入門 計画の立て方から“残す勉強”の実践まで」「中学生活を充
実させるために 親が子どもにしてあげられること」の6章構成。
『使える脳 頭をよくする11の技術』
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今さら頭はよくならないと、諦めてはいませんか? 頭がいい人とは、
たんに記憶力がいい人ではなく、仕事や勉強に役立つ「使える脳」を持って
いる人のことです。本書では、ストレスをためず楽しみながら、思考力を鍛
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を学び、己の性格と向き直りながら必要なポイントを的確に高めていく術を
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す!
■メルマガエッセイ*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
【知的レベルの高い負け組の必要性/和田秀樹】
2回続けて同じメルマガが来たり、それで修正するようにお願いしたら、
何のお詫びもなかったり、さらにそういう不信感もあって、しばらくこのエ
ッセイを書かないでいたこともあって、しばらくぶりのエッセイになった。
この手のメルマガ・エッセイに書くような内容のエッセイは基本的に、私の
ブログのほうにほとんど毎日書いている。
http://ameblo.jp/wadahideki/
ということで、ためしに読んで欲しい。自分で更新できるので、書きたい
ときに書きたいタイミングで書いている。
このメルマガに関しては、新刊の案内とかを含めて出せるときに出す形に
なることをご了解いただきたい。
さて、選挙で民主党が勢いづいているようだが、私が気がかりなことは、
日本が今後どうなっていくのだろうかということだ。
現在のところ、民主党にしても格差の是正を打ち出しておらず、基本的に
は自由主義を掲げ、規制は取り払う小さな政府を標榜しているようだ。
教育についても、医療福祉についても、それに十分金を使うとは言ってい
ない。
ましてや、消費税の増税を当面しないと言っているだけで、たとえば累進課
税の復活のような格差是正策を論じていない。
ところで、歴史に学べとはよく言ったもので、実は20世紀になって以来
、歴史的に豊かな国、高度成長を成し遂げた国というのは、基本的に貧富の
差の格差が小さい国である。
大恐慌は世界の経済を滅茶苦茶にしたわけだが、そこからいち早く立ち直
ったのは意外にもドイツだった。
実は、ドイツは構造的に大恐慌のあおりをもっとも受ける位置にいた。と
いうのは、第一次世界大戦が終わってから、賠償金の返済に追われながら、
必死で経済を立て直そうとするドイツにもっとも投資をしたのはアメリカだ
ったからだ。ところが、大恐慌で、アメリカが金がなくなって、そこを引き
上げてしまう。
これに対して、ドイツではナチスが政権をとるのだが、レンテンマルクの
奇跡を起こしたシャハトを帝国銀行の総裁につけたりしたわけだが、アウト
バーンの建設など膨大な公共投資を行って、ドイツ経済を回復に導いた。
ただ、この際に、たとえば、アウトバーンでは建設費のうちの46%を人
件費にあてるなど、労働者に金が回るようにした。さらに貧しい層には減税
を、金持ちには累進課税を厳しくし、また法人税の増税も行った。
このようにして、貧富の差を小さくした中でドイツ経済が回復し、戦争で
連戦連勝になる状況を作っていったのだ。
アメリカは、第一次世界大戦でも第二次世界大戦でも戦後不況を経験しな
かった国である。
大恐慌に関してはニューディール政策を行ったが、残念ながら経済は回復
せず、景気が本格的に回復したのは、第二次世界大戦になってからなので、
ニューディール政策の効果より、戦争の効果なのではないかという人が多い
。
ただ、私が注目したいのは、アメリカが第二次世界大戦のほかの戦勝国と
違って、戦後不況に陥らなかったことだ。計画経済のソ連などと違って、資
本主義の国では、戦争が終わると急に需要が冷え込むので景気が悪くなる。
これは第一次大戦、第二次大戦を通じていえることで、戦争は勝っても国を
豊かにしないのである。
ところが、アメリカは戦後不況を経験しなかった。内需が絶好調で、この
時期にアメリカは家電産業も、自動車産業も急成長する。
アメリカは、もともとは戦費調達のために厳しい累進課税を行ったのだが
、いっぽうで労働力の確保のために最低賃金を上げ続けて、貧富の差が急激
に縮まった。これが大圧縮の時代と呼ばれるのだが、戦争が終わってもこの
政策をやめずに、トルーマン政権時代には最高税率は9割を超えたそうだ。
そして、この時期に庶民がリッチになって、大衆が大量消費に走り、アメリ
カ繁栄の礎を築いた。アメリカの自動車会社や家電メーカーがぼろぼろにな
ったのは、アメリカが格差社会になってからの話だ。このあたりの事情は、
昨年のノーベル経済学賞学者、ポール・クルーグマンの『格差は作られた』
に詳しい。
そこに取って代わったのだ、累進課税が厳しかった頃の日本だ。一億層中
流といわれ、大衆が「高くてもいいもの」を求めた。かくして日本製品のク
オリティがあがり、私の留学中などは、アメリカでは日本の2年落ち、3年
落ちの製品が平気で売られていた。
歴史ははからずも、貧富の差をつけないほうが消費性向があがるというケ
インズの理論を証明しているのだが、問題は日本で、そういう主張をする人
がほとんどいないことだ。
そこで、私は『富裕層が日本をダメにした』(宝島社新書)という本を出
したのだが、一部のインテリの人たちが注目してくれた。それは、東大卒の
エリート官僚のかなり仕事のできる人のようだった。彼は、世界で始まって
いるブロック経済や保護貿易主義の現状を話し、内需を拡大しないと日本は
生き残っていけない事態を外国の分析から教えてくれた。
問題は、こんな本を書いても、労働組合から、あるいはたとえば、派遣労
働者などの団体から一切問い合わせや連絡などがないことだ。
そして、彼らは給料を下げないと会社がつぶれるとか、リストラをしない
と会社がつぶれるというようなロジックをいともたやすく信じてしまう。し
かし、トヨタであれ、パナソニックであれ、製造業大手の売上高人件費比率
はわずか1割なのである。
1925年生まれの日本研究家、ロナルド・ドーア氏もいみじくも指摘して
いたが、昔は労働組合に入る人もエリートになる人も、同じようなバックグ
ラウンドだった。
同じ公立の小中学校に通う。高校くらいからエリートとそうでない人の差
がつくこともあったが、高校も名門校に通いながら、大学受験に失敗したり
、経済的理由で高卒で会社に入り、労組に入ることもあった。
かくして、エリートも組合幹部もわかりあえたし、逆に組合幹部でも東大
卒のエリートに負けないくらい本を読んで論破することもあった。
もちろん、東大に入るようなエリート候補生も、受験でたまたま勝っただ
けとか、ちょっと親が教育熱心だったとか、ちょっとだけ経済的に余裕があ
ったおかげで、自分がここにいると思っていたので、貧しい人に同情する人
も多かった。かくして、東大は官僚養成校であると同時に、左翼の拠点とも
なった。
要するに昔は貧しいものの味方のインテリがたくさんいたし、いわゆる負
け組の中にもインテリがたくさんいた。だから、簡単に金持ちのロジックに
負けなかった。
今はどうだ?
小学校のころからエリート候補は塾通いをし、ゆとり教育で腑抜けになっ
た学校生活はおまけとしか考えない。中学から負け組とは別の学校に行き、
比較的豊かな層で、教育熱心な親の多い環境で、バックグラウンドの近いも
の同士がつるむ。公立学校はその残りの集まりになる。
愚民化政策が成功して、大衆はまともに本を読まず、大資本がスポンサー
のテレビ番組で年収1億以上のキャスターの話に納得する。消費税は上げる
話は出ても、累進に戻せとは年収1億以上のキャスターがいうわけはない。
学歴に対するルサンチマンで、雑誌や新聞メディアが勉強たたきをしたあ
げく、政府も愚民化政策に成功し、高学歴者より世襲が持ち上げられると同
時に、本を読む人、新聞を読む人が減って、自分で自分の首をしめることに
なる。
昔のように、高学歴の負け組がいない社会は悲惨だ。
階級は固定化し、貧富の差は広がるだろう。
もちろん、消費はろくに増えないから、日本は外国にものを売るために、
自国の労働者をさらにやすく使い、外国に品物を献上する。そうでなくても
植民地状態になるのに、中国あたりは客になったとたんに、日本に対しても
っとえらそうにすることだろう。
金持ちがいやしいために、日本はアメリカについで、中国にまで属国扱い
を受けることになる。
その国の金もちが魂をうり、自分だけ豊かな暮らしをするために、宗主国
にこびを売るのも歴史が繰り返すことだ。日本だけはそういう歴史のないい
い国だったのに。
しかし、愚民化が成功しているために、貧しいものでそれに気づくものは
いない。自民党でなければ、民主党で、貧しいものですら共産党にいれない
。ヨーロッパでは、政治が悪いときは共産党が票を伸ばすのが常識なのに。
愚民化政策のおかげで、日本人が知っている外国は、アメリカと北朝鮮と
中国と韓国だけになってしまった。しかし、中国や韓国に学力で負けている
ことを知っている日本人も少ない。
◆エッセイのご意見・ご感想はこちらからお願いします。
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的な事情で高校中退していた彼女だったが、五十嵐は残りの人生を彼女の
「東京大学合格」に費やすと誓うが−−和田秀樹先生が初監督作品である同
名映画のノベライズが早くも登場しました!
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