トップ > 車&バイク > 車一般 > がんばれエコカー!〜日本車は生き残れるのか?

トヨタ、ホンダなどの日本車メーカーが得意とするエコカー!
実際に開発に関わったことのある元技術者が、ハイブリッド車、電気自動車、ディーゼル車などのエコカー情報を紹介します。
激化する開発競争の中で、日本車は生き残れるのか?

RSS

メルマガの登録・解除

登録した方には、メルマ!からオフィシャルメルマガ(無料)をお届けします。

アクアの衝撃 【がんばれエコカー!】2月号

発行日:2/7

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【今日のテーマ】 アクアの衝撃
--------------------------------------------------------------------

 今日は昨年末に発売されたトヨタの小型HV アクアを紹介しましょう。

 その衝撃やいかに。


▼驚異の燃費性能

 まずそのスペックです。

  エンジン  : 1.5リッター直4(アトキンソンサイクル)
  最高出力  : 54kW/4800rpm
  最大トルク : 111Nm/3600rpm
  モータ   : 交流同期式
  最高出力  : 45kW
  最大トルク : 169Nm
  バッテリー : ニッケル水素電池
  電圧/容量 : 144V/936Wh
  システム電圧: 最大520V
  変速機   : 電気CVT
  燃費    : 35.4km/L(JC08モード)
  車重    : 1050kg〜
  価格    : 169万円〜

 エンジンは2台目プリウスの1NZ−FXEを再設計。

 スペック的にはほとんど変わりませんが、
 70%の部品を新設したそうです。

 詳しくは後述しますが、モータ、インパータ、バッテリーも新設計で、
 小型軽量化を進めています。

 その結果、車重は1050kgでヴィッツとほぼ同等。

 なんとマイルドHVであるフィットハイブリッドよりも軽いぐらい。

 この軽量ボディに諸々の損失低減や新しい制御を組み合わせた結果、
 JC08モード燃費で35.4km/Lを実現しました。

 売れ筋のSグレードで比較するとプリウスより5km/Lも優秀です。

 さすが、トヨタ渾身の一台と言えるでしょう。

 ちなみに10・15モードだと最大40km/Lで、
 プリウスより260kgも軽いのに2km/Lしか向上していません。

 事前の目標は44km/Lとも言われていた事からすると、
 開発に失敗したのかと思うような数字ですが、
 コストなど実利を取ったんでしょうかね?


▼燃費低減技術

 脅威のモード燃費を実現したその最大の要因は小型軽量化でしょう。

 主要なコンポーネントから見ていくとまずバッテリー。

 バッテリーセルをプリウスの168から120に減らしています。

 これはプリウスより軽くて駆動パワーが少なくてすむためで、
 電圧も200Vから144Vに下がってます。

 インバータなどのパワーコントロールユニットもコンパクト設計で
 体積を12%、重量で1.1kg減らしたとか。

 ちなみに昇圧後の最大電圧は520Vと、
 プリウスより130Vも下がってます。

 (元の電圧のわりには頑張ってるか?)

 それからモータですが、これも面白いことをやってます。

 従来、回転磁界を発生するステータ部は鉄のコアに、
 銅線をぐるぐる巻いたコイルを後から挿入して形を整える造り方でした。

 しかし今回は先にコイル部分を形成し、
 そこに分割したコアをはめ込んでモータに仕立て上げます。

 イメージ湧きますか?

 従来が精密な粘土細工だとしたら、
 それを簡単なレゴブロックにした、と言えばいいでしょうか。

 これだと鉄損が増えるなどのデメリットもありますが、
 銅損が減って、体格がコンパクトになって、
 生産性が高くなるなどのメリットがあります。

 大量生産を目指すトヨタならではの技術だと思いますね。

 それからエンジンでは吸排気マニホールドなどを軽量化。

 プリウス同様に電動ウォータポンプやクールドEGRを採用し、
 損失も低減しています。

 結局のところ、昨年の新型カムリと同じで
 プリウステクノロジーの展開と軽量化が柱、というわけです。


▼アクアの出来栄えは?

 それではクルマの出来はどうでしょうか?

 私が試乗した感じでは評判通りよく出来ていると思いました。

 走らせるとプリウスより出足が良く、取り回しの軽さが光ります。

 動力性能はとりたててパワフルでもありませんが、
 実用HVとしては十分でしょう。

 トヨタHVらしいスムーズな制御は言うまでもありません。

 内装の質感はまあ、コンパクトカーなりと言ったところ。

 パステル調のアクセントカラーが軽薄に見えなくもありませんが、
 HVの新規性と相まって、けっこう似あっていると思います。

 外観もプリウスの面影を残しつつ、うまくまとめていますね。

 肝心の価格ですが、ベースグレードのLが169万円です。

 一見、安いように見えますが、このグレードは遮音材が省かれるなど、
 ほぼビジネス用途に準備されたもの。

 実質的に個人向けのベースグレードであるSは179万円であり、
 プリウスに比べて標準装備も多くありません。

 (サイドエアバッグや排気熱回収器なんかはオプション扱い)

 だから実際に買うと200万円オーバーになるのはザラで、
 それほど安いとは言えないのが実状。

 現行プリウスの発売当初と比べると、
 しっかり儲けを取りに来たな〜、という印象です。

 (ちなみにプリウスもアクアの発売と共に12万円も値上げされた)

 それでもアクアの商品性が高いから、けっこう売れると思います。

 なんと言っても取り回しがしやすいし、燃費もプリウスより上(のはず)。

 すでに12万台の受注を獲得した事が、それを証明しています。

 このアクアをもってすれば、
 トヨタ念願の年間HV販売100万台も夢ではないでしょう。

 ライバルメーカーとしては、ちょっと穏やかでないかもしれませんねえ。


 次回、アドバンスではディーゼル設計のお話を。

  次回予告 : 思い出に残るディーゼル

▼参考になった、楽しく読めたと思ったらクリックしてください。
  http://clap.mag2.com/froutrasla?1

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【今日のエコカー】 カムリ (2.5L CVT)
--------------------------------------------------------------------

  カタログ燃費  : 23.4 km/L (JC08モード)

  実用燃費    : 15.1 km/L (CarlifeNavi 参照)

  実用/カタログ比: 0.65

  排出ガス    : ★★★★(平成17年基準排出ガス75%低減レベル)

  直近の販売台数 : 1,499台(12月)


 今日はトヨタのカムリ。

 昨年モデルチェンジしたばかりのHVです。

 実燃費がガソリン車のコンパクトや軽自動車並みなのはさすが。

 台数も目標の3倍程度なので、まあ好調と言っていいでしょう。

 外観がコンサバ過ぎるのがなんですが、
 個人的には良く出来たクルマじゃないかと思います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【今週のニュース】 
--------------------------------------------------------------------

 米国で”シビックハイブリッドの燃費が誇大広告だ!”ということで
 ホンダが訴えられ、賠償を命じられてしまいました。

 これは昔のゆるい測定方法で測った燃費を謳っているため、
 実燃費との乖離が大きいのもある程度仕方ないと思うんです。

 しかしシビハイもバッテリーが劣化して燃費が落ちたという指摘もあり、
 何が正しいのか、よく判らない状態です。

 ホンダは上訴するそうですが、どうなりますか?


▼詳細を知りたい方はブログへどうぞ。
  http://blogs.dion.ne.jp/fight_ecocar/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】
--------------------------------------------------------------------

 やっと有料版のアドバンスを発行しました。

 アドバンスの今月の残りテーマは以下のように予定しています。

 ・思い出に残るディーゼル
 ・ディーゼル直噴化の流れ
 ・日本メーカーのディーゼル

 来週は私の出身企業を明かし、初めて関わったエンジンを紹介。

 その次はディーゼルが直噴に移っていった経緯、
 そして最後に日本メーカーのディーゼルへの取り組みを紹介します。

 ちなみに来月は同じようにハイブリッド車を扱う予定。

 興味が湧いたらこちらで登録してみてください。
  http://www.mag2.com/m/0001391310.html


▼参考になった、楽しく読めたと思ったらクリックしてください。
  http://clap.mag2.com/froutrasla?1

--------------------------------------------------------------------
▼このメルマガは、月1回(第1火曜)発行です。

▼このメルマガをベースにしたホームページも有ります。
  http://www.ab.auone-net.jp/~ecosuki/index.htm

▼ご意見・ご要望・ご感想があれば発行人iharaへご連絡ください。
 メールアドレス eco.hiro.car@gmail.com

▼購読・解除はこちらから
 ・まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000291216.html
 ・メルマ  http://www.melma.com/backnumber_182852

 最後まで読んでくれてありがとうございます。

最新の記事

ブックマークに登録する

TwitterでつぶやくLismeトピックスに追加するdel.icio.usに追加Buzzurlにブックマークニフティクリップに追加ライブドアクリップに追加Yahoo!ブックマークに登録記事をEvernoteへクリップ
My Yahoo!に追加Add to Google

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

登録した方には、メルマ!からオフィシャルメルマガ(無料)をお届けします。

この記事へのコメント

コメントを書く


上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  1. コメントはありません。

このメルマガもおすすめ

  1. 『週刊くるまーと〜賢く選んで、楽しく運転〜』

    最終発行日:
    2012/05/19
    読者数:
    2150人

    車情報市場「くるまーと」が毎週お届けする、賢いクルマ選択と快適カーライフのための無料メールマガジンです。新車・自動車業界ニュースの他、マイカー採点簿、クイズ、コラムなど。

  2. 宮崎正弘の国際ニュース・早読み

    最終発行日:
    2012/05/24
    読者数:
    18758人

     評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

  3. 走り屋でない車好きのためのメルマガ

    最終発行日:
    2012/05/20
    読者数:
    2367人

    「走り屋でないけど車が好き!」、「車種にかかわらず車が好き!」、「これから車に詳しくなりたい!」という人など向けの内容です。車に関する身近な話題中心です。主な内容はバックナンバーをご覧ください。

  4. 「知ってる?クルマのあれこれ。な〜んでも情報局」

    最終発行日:
    2012/05/19
    読者数:
    752人

    新車情報やリコール・改善対策情報、業界ニュースなどの自動車関連情報を毎週土曜日にお届けする無料メールマガジンです。

  5. 自動車整備の本当の話

    最終発行日:
    2012/03/11
    読者数:
    586人

    外見からだけでは判断できない、自動車の整備の実態、車検とは何なのか、自動車を愛して長持ちさせるコツなど、整備士の側からお話します。

発行者プロフィール

ihara

ihara

http://www.ab.auone-net.jp/~ecosuki/index.htm

数年前までエコカーの開発に関わっていた元技術者。 世界的に見ても日本が優位性を持つエコカーについて、少しでも多くの人に伝えて行けたらと思います。

過去の発行記事